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鹿島神社本殿
概要
本殿は、入母屋造りの屋根の三角形の妻壁を正面に見せる、この地方で芸備造と呼ばれる形式です。
正面に見える妻壁には二重の虹梁を設け、虹梁を支える束に丸彫りの獏や鬼面などの装飾を付け、非常に賑やかです。柱や梁にも猿やふんどしを着けた人など、ユーモラスな彫刻や古式な蟇股が付けられており、地方色豊かな建物です。
鹿嶋神社大明神社は、棟札が残っており、長久南中(1040年~1044年)に勧進され、天文年中(1532年~1555年)に勝山城主三吉新兵衛尉が再興したと記されています。
現在の本殿は、寛延3(1750)年に再建されたものですが、各部に古式な形式が見られます。明治42(1909)年に村内の五社を合祀するため廃社となっており、昭和27(1952)年の再度独立まで社殿は放置されていました。
神社
神社建築の発生には、諸説あります。ひとつは日本で古くから信仰されていた、山や滝、樹、岩などの八百万の神々に参拝するための設備として設けられたという説。もうひとつは、仏教建築が造られるようになったことへの対抗意識から神様にも立派な建物が造られるようになったという説です。
神社の建物がいつ作られ始めたのかは分かりませんが、現在残っている最古の神社は平安時代に建てられた宇治上神社本殿(京都府)です。神社特有の式年遷宮(造替)という定期的に建物を新しくする文化が、古い建物がない理由の一つと考えられています。伊勢神宮や出雲大社などの社殿は、古代の形を今に伝えているといわれています。
基本情報
名称:鹿島神社本殿
よみがな:かしまじんじゃほんでん
指定:市指定
種別:重要文化財
所在地:三次市粟屋町
指定年月日:平成8年3月21日