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令和7年度施政方針

ページID:0030665 更新日:2025年2月21日更新 印刷ページ表示

福岡誠志三次市長

1 はじめに

 議員各位をはじめ市民の皆さんには,平素から市政全般にわたり,ご支援・ご協力をいただき,厚く感謝申し上げます。

 本日,令和7年3月三次市議会定例会の開会にあたり,新年度に臨む私の所信と主要施策の概要についてご説明申し上げ,議員各位ならびに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 本市の未来を拓く,まちづくりの指針である「みよし未来共創ビジョン(第3次三次市総合計画)」が,計画期間の2年目に入ります。人口減少・少子高齢化,デジタル技術の進展や長引く物価の高騰など,多くの変化が私たちの生活に影響を与えており,行政には,より柔軟で迅速な対応が求められています。人口減少を最小限に抑えるとともに,人口が減っても“ツナガリ人口”の拡大によって地域の活力を維持し,安心して暮らせる持続可能なまちづくりに向けた歩みをさらに進めていかなければなりません。

 総務省が公表した令和6年の住民基本台帳人口移動報告によると,東京都への転入超過数が約8万人と最も多く,東京一極集中の構造は一向に改めるされていません。国は,令和6年に示した「地方創生2・0」のなかで,若者や女性が地方を離れる動きが加速しているとし,若者や女性に選ばれる「楽しい」地方を,民の力を活かして,官民が連携して作り出していくことが急務であるとしています。

 若者や女性に選ばれるまちとなるためには,三次に住んで,あるいは訪れて「楽しい」と思えるような新しい出会いや気づき,そこから生まれる夢や可能性があることが大切です。官民が連携して取り組んでいる女子硬式野球チーム「三次Blackpearls(ブラックパールズ)」が,4月から始動しますが,こうした活動が,若者や女性にとって三次の地で夢をかなえ,自己実現していく姿の象徴となることを期待しています。

 今年は,被爆80周年という節目の年となります。改めて,戦争の悲惨さや平和の尊さを次の世代に伝え,引き継いでいく,そうした決意を新たにするものです。本市とジョージア州アメリカス市の交流の礎であり,昨年末にお亡くなりになりましたジミー・カーター氏のご遺志を継ぎ,絆を強め,平和を希求する取組につなげていきます。

 4月には,大阪・関西万博が開幕し「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに,世界中から革新的な技術や文化が集まります。三次の魅力を世界にアピールできる絶好の機会として,地域資源にさらなる磨きをかけ内外に発信していきます。

 三次が活力に満ち,住み続けられるまちであるためには, “ツナガリ人口”の拡大とともに,市民の皆さん一人ひとりの可能性を引き出し,官民の連携やデジタル技術の活用など,共創の取組により,持続可能な生活基盤を確保することが必要です。国が推進する「地方創生2.0」を見据えながら,それぞれの地域やコミュニティが持つポテンシャルを最大限引き出し,様々な魅力や楽しさを発見・発信していく営みを通じて,三次の元気づくりにつなげていきます。

 

2 財政状況

 続いて財政状況について申し上げます。令和5年度決算の実質公債費比率や将来負担比率などの財政指標はいずれも基準以内で,財政の健全性を維持していますが,一般財源の余裕度を示す経常収支比率は98.0%となり,依然として経常的に使える一般財源の余裕がない状況となっています。

 昨年11月にお示しした「三次市財政計画」において,令和8年度および令和9年度の経常収支比率は,令和7年度の国勢調査による人口減少を見込んで普通交付税が減少することに加え,少子高齢化等に伴う社会保障関係経費や近年の物価高騰などにより,歳出が高い水準で推移することを踏まえて100%を超えるものと推計しており,厳しい財政運営が続くものと考えています。

 限られた財源や人材の中で,まちづくりの取組と財政健全化の両立を図るためには,「共創」の視点を持ち,ふるさと納税や企業版ふるさと納税といった制度を活用して歳入の確保もしっかりと行いながら,市民の皆さんや団体,事業者などと協働・連携し,民間活力を積極的に活用した事業を推進するほか,デジタル技術を活用した業務の効率化を引き続き進めて,計画性のある持続可能な財政運営に努めてまいります。

 

3 令和7年度予算編成の基本的な考え方

 次に,令和7年度当初予算編成の基本的な考え方について申し上げます。

 令和7年度当初予算(案)は,私たちがこれまで市民の皆さんとともに築いてきた持続可能なまちづくりの基盤をさらに強固なものにし,未来への可能性を広げる大切な一歩となるもので,「第3次三次市総合計画」で掲げた諸施策を計画的に推進するため,中長期視点に立ったうえで,官民連携による地域課題解決に取り組むほか,本市の強みである自然や文化,地域コミュニティの力を活用しながら,地域資源を磨き上げる施策を展開するとともに,公共施設の老朽化対策や防災・減災対策,DX,脱炭素化の投資を着実に進めるなど「人と想いがつながり,未来につなぐまち」の実現に向けた予算編成を行いました。

 

4 令和7年度当初予算(案)の概要

 続いて,令和7年度予算(案)の概要について申し上げます。

 一般会計など,8会計を合わせた市全体の予算規模は,692億5,842万2千円で,前年度予算に比べて,16億1,409万1千円,2月4日%の増としています。一般会計は395億7千万円で,11億6千万円,3.0%の増です。また,5つの特別会計は合計134億4,170万円で,1億3,389万2千円,1.0%の減としています。

 一般会計の歳入の特徴としましては,市税は,令和6年度実施の定額減税による税収減の回復のほか,新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う経済活動の正常化や近年の人件費高騰による所得の増加を踏まえ約3億6千万円増加しましたが,地方交付税は約1億6千万円減少するなど,一般財源全体としての確保は厳しい状況が続いており,財政調整基金などを約18億1千万円繰り入れることとしています。

 歳出の特徴を性質別にみますと,義務的経費について,扶助費では,令和6年10月からの児童手当の制度改正反映分を1年分計上することなどにより約3億2千万円の増額となっており,削減が困難な経費が増加しています。

 補助費等は,現在建設を進めている備北地区消防組合の消防新庁舎建設事業や,高機能消防指令施設更新事業にかかる負担金などにより,約10億4千万円の増となりましたが,普通建設事業費は,東光保育所の建設工事やみよし運動公園運動広場改修工事,権現川貯留施設整備事業などが終了したため,約13億7千万円の減となっています。

 その他の経費については,人件費や物価高騰などの影響により経費の増大が見込まれる中,内部管理経費の削減に努めつつ,新規事業や拡充事業については財源の確保に最大限努力しました。

 

5 施策の重点方針

 続いて,第3次三次市総合計画の実現に向けて実施する,施策の重点方針について,申し上げます。

 まず,市内外の多様なつながりによる“ツナガリ人口”の拡大を推進し,官民が連携して地域課題を解決する取組を展開します。

 三次を選んでいただき,定住につなげる事業や,三次を応援する内と外の人がつながり,ともに三次を「推し」ていただくことで本市の活性化につなげる取組を継続して行います。シティプロモーションについては,地域の魅力を発掘・創出して市内外へ発信し,本市との継続的なつながりの構築に貢献する「ふるさと納税」などと連動した効果的な取組を進めます。併せて「企業版ふるさと納税」が,本市の取組を応援していただくきっかけとなるようサポーター制度を創設し“ツナガリ人口”の拡大につなげます。

 また,企業版ふるさと納税を活用して,産学官が連携してプロジェクトを設立し,地域活性化や防災等の地域課題の解決につながる事業構想の創出に取り組みます。

  次に,多様なつながりから生まれた連携・協働を通じて,本市の資源を活用し,新たな魅力や付加価値の創出につなげる「共創のまちづくり」を推進します。

 引き続き,「Shibuya Qws」を拠点として,様々な分野の横断的な交流によって,課題解決や新たな価値の創出に取り組むほか,3月にJR新広島駅ビル内でスタートする「Dots(ドッツ)」に参画し,つながりと共創により,本市の資源を活用した付加価値の創出などに取り組みます。

 広島広域都市圏をはじめとする,市町の域を越えた広域連携などについても,他の自治体との横のつながりを改めて意識しながら,地域資源の活用や交流人口の拡大に向け,双方向の効果的な取組を行います。

 教育分野においては,「みよし学びの共創プラン」の実現に向け,教育政策研究チームによる教育政策の調査研究を通じて,中山間地域のモデルとなる取組を進め,次代を担うひとづくりやまちづくりにつながる教育施策を推進します。

 また,これからの三次を担う子どもたちを「未来を創る当事者」に育てるための環境づくりは喫緊の課題です。児童生徒に,より魅力ある教育環境を整備する観点から,小・中学校のあり方に関する基本方針を定め,学びの選択肢を広げる「小規模特認校」や「学びの多様化学校」の導入も視野に入れ,魅力あるカリキュラムの導入や一定の規模を基盤とする学校再配置など,すべての児童生徒にとって魅力ある学校となるよう,丁寧に議論を行いながら教育環境の充実を図ります。

 

6 第3次三次市総合計画「まちづくりの取組の柱」ごとの主な取組

 続いて,第3次三次市総合計画の「政策の体系」に沿って,市政運営の主な取組を申し上げます。

 

(健康で安心感のある暮らし)

 まず,「健康で安心感のある暮らし」です。

 保健・医療の分野では,「第2次三次市健康づくり推進計画」に基づき,「すべての市民が健やかで,幸せを実感できるまち」をめざし,健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目標に,ネウボラみよしの取組や,オーラルフレイル予防事業,みよしふるさとランチ事業,こころサポーター養成事業などをはじめとした,母子保健,健康増進,食育推進,自殺対策の各分野の計画に基づいた各種事業を展開してまいります。

 健診予約システムを導入し,デジタル技術の活用による健診受診率の向上を図るほか,高齢者を対象として,新型コロナワクチンおよび帯状疱疹ワクチンの予防接種に対して助成を行い,重症化防止に努めます。

 市立三次中央病院においては,備北圏域での中核病院として,質の高い安全・安心な医療サービスを提供できるよう,計画的な医療機器の更新等を進めます。また,病院改築事業については,令和11年度の開院に向けて取り組んでおりましたが,建設費の高騰に加え,急激な物価や人件費の上昇,診療報酬改定の影響を受け,病院事業の収支見通しが非常に厳しい状況となっております。今後は,収支状況を見極めながら,一時立ち止まり,事業の再構築を検討せざるをえないと考えておりますので,ご理解いただきますようよろしくお願いいたします。

 福祉の分野では,「三次市いつまでもいきいき元気プラン-三次市第10期高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画-」や「三次市第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画」に基づき,高齢者の皆さん,障害のある人やその家族が,住み慣れた地域でいきいきと自分らしく,安心して暮らし続けられる取組を推進します。

 高齢者等見守り隊による訪問や相談活動を継続して取り組むとともに,デジタル技術を活用した高齢者等位置情報提供ツール導入に向けた実証実験を行い,高齢者等の安全・安心を確保します。また,介護事業所等における介護人材の確保を図るため,外国人の受入費用の支援を始めます。

 国が推進する重層的支援体制整備事業の実施に向けて「地域福祉計画」の策定に取り組み,複雑化,複合化した狭間のニーズに対応するため,属性や世代を問わず,誰もが安心して相談できる包括的な支援体制の構築をめざします。

 多文化・共生の分野では, 被爆80周年の節目において,原爆や戦争の悲惨さ,平和の尊さを多世代で共有し,次世代に引き継ぐための平和記念事業を行うとともに,平和文化の発信と交流を継続して行うための基金を造成します。

 また,他者と共感し,多様性を認め合う社会の実現に向けた取組も積極的に進め,女性活躍支援プラットホーム「アシスタlab.(ラボ)」では,引き続き女性の起業支援,就業応援等を推進します。

 

(安全で快適な生活環境)

 「安全で快適な生活環境」では,自然環境の分野において,2050年カーボンニュートラル実現をめざす「みよし未来環境宣言」を基調として,本定例会に提案しております「みよし未来環境条例(案)」に基づき,脱炭素化に向けた取組を進めます。まずは,主要な公共施設について省エネでかつ長寿命であるLED化を実施し,脱炭素化を進めるとともに,トータルコストの縮減を図ります。

 また,人と動物の調和のとれた共生社会の実現に向けて「わんにゃんサポーター」を設置します。ボランティアの皆さんに,広島県動物愛護推進員の活動を支援していただくことで,犬猫の愛護管理活動の充実強化を図ります。

 生活基盤の取組では,市民の皆さんの暮らしに欠かせない一般廃棄物最終処分場や道路,橋梁,上下水道,空家対策,市営住宅などの整備・維持を計画的に推進します。

 DX・スマートシティ推進事業として,引き続き,日常生活を便利で豊かにしていくことをめざし,デジタル人材の育成やAIの活用等を進めるとともに,あらゆる分野での施策展開においてDXを推進してまいります。

 交通面においては,引き続き,沿線市町や国・県との連携を深めながら,鉄道および地域の活性化につながる取組を実施します。好評をいただいている「バス&レールどっちも割きっぷ」への支援を継続するとともに,路線バスや市民バス,JR芸備線・福塩線等の生活移動手段の維持確保・利用促進対策を進めます。持続可能な地域公共交通を確立するため,中心市街地の移動手段として「AI活用型オンデマンドバス」の導入を進めるとともに,公共交通空白地における移動支援のあり方の構築に取り組みます。

 今年は,尾関山公園が整備されて100年目にあたります。老朽化した尾関山公園展望台の修繕や,地域の皆さんと連携して「尾関山公園100周年記念事業」を実施するとともに,企業版ふるさと納税を活用した三次地区の賑わい創出に取り組みます。

 「防災減災・安全」については,ハード・ソフト両面で,市民の皆さんのいのちと暮らしを守り,安全・安心な暮らしづくりを推進します。

 北陸地方に大きな被害をもたらした「能登半島地震」から1年が経ちました。また,今年は,阪神淡路大震災から30年目となる年です。私たちはその教訓や経験を忘れることなく,平常時から防災意識を高めるとともに,災害発生時には,互いの協力により被害が最小限になるよう努めなければなりません。今年は,8年ぶりに本市で大規模災害の発生を想定した広島県総合防災訓練を実施します。官民一体となった訓練により,災害時におけるより強固な連絡協力体制を築いていきます。

 消防新庁舎建設については,令和7年度中の完成に向け,事業を計画的に行うとともに,アクセス道路となる十日市276号線,酒河160号線の整備を進めます。

 昨年に続いて,民間事業者との連携により,高齢者の交通事故死傷者ゼロをめざす「三次いきいき安全ドライブ運動」を展開し,安全で快適な交通環境の確保に取り組みます。参加者の走行データを活用し,作成した交通安全マップをもとに,高齢ドライバー等の交通事故を防止し,運転寿命の延伸に向けた取組を継続して行います。

 

(子どもの未来応援)

 「子どもの未来応援」では,現在策定中の「三次市こども計画(案)」の理念に基づき,こどもが健やかに育ち,誰もが安心して子育てができるまちをめざした施策を展開します。

 子育て支援において,こども医療費助成事業や地域子育て支援センター運営事業など,充実した支援を継続するとともに,子どもや家庭における様々な相談や困りごとに対応する,総合的な相談窓口「こども家庭センター」において,市内に居住するすべての子どもとその家族および妊産婦を継続して支援します。また,ひとり親家庭等自立応援プロジェクトの一環として,経済的支援のほかに,新たに,ひとり親家庭の子どもの学習を支援する取組を行い,学習や生活の意欲を高め,育む場を提供します。

 教育分野では,「みよし学びの共創プラン」の実現に向け,令和6年度に発足した教育政策研究チームによって,中山間地域の教育のあり方や未来を育む学びの改革を実現するための調査研究を行います。また,児童生徒一人ひとりに豊かな教育環境を整備する観点から,小・中学校のあり方に関する方針を定め,魅力ある学校づくりに向けた取組を進めます。「みよし結芽人育成事業」として,小中の9年間を貫く三次独自の新たなカリキュラムの開発と教職員の研修を進める「コアカリキュラム推進プロジェクト」のほか,中山間地のトップリーダーとなる人材を育成するため,新たな試みとなる「Tri-Next越境部」を起ち上げ,子どもが多様な他者とのつながりを通して課題解決能力を養う取組を行います。

 学習環境の改善では,児童生徒が快適な環境で学ぶことができるよう,小中学校のトイレの洋式化や体育館のスポットクーラーの整備に取り組みます。また,誰もが支障なく学校生活を送ることができるよう,八次小学校にエレベーターを設置します。三次小学校改築事業では,令和7年度二学期からの供用開始に向けて,新校舎の建設を着実に進めます。十日市小・中学校等の改築についても,基本設計・実施設計に着手し,子どもたちの安全・安心な学びや生活を確保できる施設整備を進めます。

 引き続き,三次の次代を担う子どもたちの学力向上や教育環境の充実を図るべく,各種取組を幅広く展開してまいります。

 

(豊かな心と生きがい)

 「豊かな心と生きがい」では,芸術・文化分野において,奥田元宋・小由女美術館をはじめとする市内4つの美術館や市民ホールきりりなどにおいて,引き続き質の高い芸術・文化に触れる機会を提供していきます。

 令和8年度には,奥田元宋・小由女美術館が開館20周年を迎えます。この節目となる機会が,芸術・文化の振興拠点としての歩みの集大成となるよう,記念事業の実施に向けて準備を進めます。

 湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)については,湯本名誉館長から新たな資料の寄贈を受け,博物館資料のさらなる充実を図り,日本の妖怪文化を内外に発信していきます。

 子ども文化芸術ふれあい事業は,従来の広島交響楽団のオーケストラ鑑賞事業を,カーネギーホールの音楽プログラム「リンクアップコンサート」として拡充し,児童がオーケストラと一緒に演奏するなどの体験ができる取組を実施します。

 長い歴史と伝統を誇る鵜飼や「国史跡寺町廃寺跡」については,地域の文化を大切にし,後世へ継承する取組を進めます。市内の子どもたちが鵜飼を体験する活動への支援を行うほか,寺町廃寺跡整備事業の基本設計に着手し,三次が誇る文化資源の保存と活用に向けた取組を進めます。

 スポーツの分野については,令和6年度に設立した官民共創の「三次スポーツコミッション」を中心に,スポーツを軸とした地域や経済の活性化や,女性活躍を推進します。本市を拠点とする女子硬式野球チーム「三次Blackpearls(ブラックパールズ)」の活動を支援し,女性活躍の推進や,地域課題の解決に向けた取組を行います。また,「スポーツのまちみよし応援事業」として,新たな全国大会や侍ジャパン女子代表などスポーツ団体の合宿を誘致し,スポーツを通じた交流人口の拡大に取り組みます。市民の皆さんが,それぞれのライフステージに応じて,スポーツを通じた健康増進や生きがいづくりに取り組むことができる環境づくりを推進してまいります。

 

(いきいきとした地域)

 「いきいきとした地域」では,定住・交流分野における移住者支援として,「みよし暮らし推進事業」を継続して取り組み,移住・定住の促進を図ります。また,ふるさとサポーター事業については,本市を応援してくださる会員の拡大と会員への情報発信の強化を図ります。加えて,「みよし暮らしフェア」や私の「移住体験・空き家見学現地ツアー」などに取り組み,三次への移住検討のきっかけづくりにつなげます。これまでの取組に加え,新たな試みも取り入れながら,三次のまちづくりに関わっていただける“ツナガリ人口”の拡大をめざします。

 「住民自治」においては,「地域共創まちづくり支援事業」等により,各地域の課題解決に向け,対話を基本とした研修支援などを通じて,住民自治組織が進める特色あるまちづくり活動をサポートします。

 

(活力ある産業)

 「活力ある産業」の農林畜産分野では,「第2期三次市農業振興プラン」に基づき,「認定新規就農者育成支援事業」や「振興作物産地化推進支援事業」など,担い手の育成・強化や生産力・販売力強化に向けた各種支援策,有害鳥獣対策などを展開し,持続可能な地域農業の確立をめざします。

 生産性の向上に向け,ラジコン草刈機等の導入支援など,デジタル技術を活用したスマート農業の普及・促進に努め,省力化や効率化を図ります。

 有害鳥獣については,被害が市町の域を越えて広がっており,広島広域都市圏協議会では,対策に係る連携のあり方や処理に係る課題の共有等,広域的な取組を検討しています。本市も,令和7年度から,県域で効果的な鳥獣害対策に取り組む「広島県鳥獣対策等地域支援機構(通称tegos(テゴス))」に参画し,地域における指導等を受け,効果的な対策に取り組みます。

 (仮称)みよしアグリパーク整備事業については,民間の力を最大限に活かして,本市が誇る農業と観光の融合を図り,農業の持つポテンシャルや様々な地域資源を活用した施設整備に向け,取り組んでいきます。

 また,薬用作物の栽培促進については,引き続き試験栽培を行うとともに,今後は業として成り立つよう,薬用作物の生産を担っていただいている農家の皆さんや関係機関と密に連携を図りながら,産地化に向け,安定的な収量確保に取り組みます。

 商工分野においては,市内企業における人手不足への支援策として,「多様な人材確保事業」や起業・就労・事業承継等の幅広い事業者支援を行う「みよし産業応援事業」を継続します。また,物価高騰等の影響を受けている生活者や事業者を支援するため,市内の消費喚起に向けて,商工会議所,広域商工会が実施するプレミアム付き商品券「三次藩札」への補助を継続し,地域経済の活性化を後押しします。

 さらに,多様な働き方の実現に向けて,官民が連携して行う在宅ワークや副業等の活用促進によって,市民の新たな可能性を創出し,市民の活躍を促すとともに地域の活性化を図ります。

 観光面では,「第2次三次市観光戦略」のもと,みよしDMOを中心に,地域資源を最大限活用した魅力ある観光プロダクトの開発や戦略的な情報発信を行い,入込観光客・宿泊者の増大を図り,観光消費額を拡大することで,持続可能な三次の観光をめざします。また,大阪・関西万博等の開催に合わせ,訪日外国人をターゲットとした受入環境整備やインバウンド誘客推進のための国際交流員の任用などにより,プロモーションの取組を拡大・強化してまいります。

 

7 終わりに

 以上,新年度の市政運営に当たり,私の基本的な考え方を申し上げました。

 あらゆるつながりを力にして,新たな価値を創出する「共創のまちづくり」は,今,着実に芽吹き始めています。布野中学校の生徒たちが,地元特産のアスパラを使い,市内の和洋菓子メーカーと共同で商品開発をした生クリーム大福は,現在,ふるさと納税の返礼品として,三次の「ウチ」と「ソト」をつなげています。自分たちが住んでいる地域の魅力や宝を発見し,PRしていきたいという生徒たちの想いは,まさに本市がめざす「人と想いがつながり,未来につなぐまち」を体現するものです。

 これからも,本市の魅力を高め,子どもたちが,将来,「三次に住み続けたい」,たとえ離れても「三次に帰ってきたい,三次とつながっていたい」という思いを持てるような,また,三次に暮らす皆さんが,「いつでも帰ってきんさい」と言える,夢と希望が叶えられるまちをめざします。

 本市のまちづくりに関わるすべての方々との‶ツナガリ」を大切に,「市民のしあわせの実現」と「将来の三次」へつながる,「共創のまちづくり」に全力で取り組んでまいります。引き続き皆さんのご支援・ご協力をよろしくお願いします。

 

令和7年2月21日 三次市長 福岡 誠志

 

令和7年度施政方針 [PDFファイル/591KB]

 

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