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所信表明(2期目)

ページID:0016755 更新日:2023年5月12日更新 印刷ページ表示

福岡 誠志さんの画像

(はじめに)

本日、令和5年第2回三次市議会臨時会を招集いたしましたところ、議員各位にはご多用の中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。

お許しをいただきましたので、2期目にあたり、市政推進の基本的な考え方や所信の一端を申し述べさせていただきます。

私は、このたびの三次市長選挙で再選し、4月26日から2期目の市政運営を担わせていただくこととなりました。

新たな任期のスタートにあたり、改めてその責任の重さに身の引き締まる思いであります。

このたびの市長選挙では、無投票での当選という形で市民の皆さんの信任をいただきました。2期目につきましても、より一層謙虚に市民の皆さんの声を聴かせていただきながら、三次の元気づくりに取り組んでまいります。

 

私の1期目の大部分は新型コロナとの闘いとなりましたが、先日5月8日からは、感染症法上の位置づけが、5類へと引き下げられました。感染状況は注視しつつも、ここからは、コロナ禍からの再始動、そしてコロナ禍がもたらした新たな時代への対応、そして「元気」で「笑顔」あふれる、ふるさと三次のまちづくりを急がなければなりません。

人口減少が進み、あらゆる分野での担い手不足が課題となっています。人口減少社会においても、限られた資源、財源、人材の中で、皆さんが安全・安心に暮らしていけるよう、適切な役割分担により持続可能な地域社会を形成していかなければなりません。これまで以上に一人ひとりの存在がより大きくなり、多様な場面で活躍できる環境づくりも必要です。

また、関係人口の創出や移住・定住対策にも引き続き取り組むことで、人口の社会増を追求していきます。

今こそ、ローカルの強みを生かし、地域創生につなげる取組を強化する時であり、「多様性」と「持続可能性」、そして「ひとづくり」というキーワードで、自然、癒し、文化、農業、食、体験、アウトドアなど、そして人と人との温かいつながりで、地域資源の活用を最大化させてまいります。三次らしさを前面に打ち出し、「新たな価値の共創」により、三次の元気づくりを加速してまいります。

市民の皆さん、議員各位には、これまでの4年間と変わらぬご支援・ご指導をいただき、これからの4年間も職員と共に、全力で市政運営に当たっていく所存です。

それでは、私の市政推進に当たっての基本的な考え方を申し上げます。

 

(いのちと暮らしを守る)

まず、第1点目は、「いのちと暮らしを守る」であります。

現在、地球規模で起こっている自然災害や、新型コロナのような新興感染症などの対応は、「未来からの緊急メッセージ」であると受け止めています。「災害は起きるもの、常に有事に備える」という考え方のもと、防災や災害復旧の迅速化に取り組みます。

特に、消防庁舎についてはハザードマップによる浸水想定区域内に立地しており、有事の際の地域防災力を高めるという視点で、安全な場所へ移転します。また、毎年のように市内各地で発生する内水被害については、それぞれの地域の特性に合わせた対策を実施してまいります。ハード事業とあわせ、「流域治水」の取組を行政、事業者、市民の皆さんが一体となって進めます。

地域経済の活性化については、コロナ禍からの回復のための支援を継続するとともに、G7サミットや大阪・関西万博等によるインバウンド集客を見据えた観光振興の取組を強化します。

 

(共創による地域(ひと)づくり)

2点目は、「共創による地域(ひと)づくり」です。

地域で支える学校づくりを進め、「未来を創る当事者に育つ」ための学びを支援します。自然豊かな「ふるさと三次」を愛し、誇りを持ち続け、自他共に幸福な人生を切り拓き、未来の創り手となる「共創によるひとづくり」を推進します。

また、それぞれの地域の特徴や個性を活かした「持続発展的」な地域づくりを後押しし、ツナガリ人口を増加させ、「三次らしさ」による地域づくりを進めます。

具体的に、教育の振興では、「(仮称)教育政策研究チーム」を設立し、政策の立案、施策の検証を実施するなど、児童・生徒の「未来を創る当事者に育つ」教育を推進します。

また、学校に通えない児童・生徒を支援するため、「(仮称)不登校特例校」の検討を行うなど、子どもたちの状況に応じた選択肢を増やす取組を進めます。

学校の規模適正化については、今日の少子化のなかで、児童・生徒にとって良好な教育環境を確保するという観点から、避けては通れないものであり、生徒のためのあり方検討会を立ち上げ、取組を進めてまいります。

また、教育大綱は、学校教育、文化振興に関する課題や方向性を共有し、総合的な施策の目標や根本を示す方針となるよう、教育委員会が策定する教育振興基本計画との一体的な策定に取り組みます。

地域づくりでは、各住民自治組織の特色ある活動に対する支援を強化します。加えて、人と人、地域と地域をつなぐコミュニティビジネスの創出による働きがい・生きがいをバックアップします。また、コロナ禍によって、中止や縮小となったイベントの再開や、新たな企画によるイベント等の開催を助成する制度を創設し、地域の元気づくりを支援してまいります。

文化・スポーツの面では、鵜飼や史跡寺町廃寺跡など、三次の持つ様々な文化・芸術資源を「守る取組」と「活かす取組」で、新たな付加価値を創出するとともに、三次市民ホールきりりや奥田元宋・小由女美術館を中心に文化事業の発信を引き続き精力的に行ってまいります。

また、女子野球は「三次きんさいスタジアム」を女子野球の聖地にするという旗印のもとで引き続き振興を図ってまいります。女子野球を起爆剤とし、その他のスポーツの活性化やスポーツ大会・合宿の誘致などに積極的に取り組み、三次の元気づくりを行ってまいります。

 

(暮らしの安心づくり)

3点目として、「暮らしの安心づくり」を進めます。

暮らしの安心の要である市立三次中央病院の建替えについては、新興感染症にも対応可能な、一般病棟を完全個室型で進めるとともに、患者や働く人にもやさしい病院とし、最先端技術の導入により地域医療の充実を図ります。

また、市民の皆さんが健康で幸せな日常を送るため、産学官連携による「市民超元気計画」を策定し、人生100年時代を豊かにしていきます。

先日、三次市福祉保健センター内に「みよしこども診療所」を開設したところですが、引き続きまちのお医者さんの継続・後継支援で地域医療を守っていきます。また、「歩いて健康」、「歩いて脱炭素」、「歩いてポイント獲得」の三方よしのシステムを構築します。

子育て・福祉においては、保育士確保に取り組むとともに、教育と福祉、保健の連携で貧困の連鎖を断ち切るため、「ネウボラみよし」を核として、児童虐待やヤングケアラーなどの早期発見につなげ、子ども・家庭へのサポートを充実させてまいります。

また、高齢者の皆さんのチカラを地域社会に還元できる取組を進め、就労機会を創出し、活動の場を提供していきます。加えて、農業分野と福祉分野が連携することで、障害をもつ人などが活躍できる「共生社会」をめざします。

地域公共交通については、通院、通学など地域になくてはならない移動手段です。現在、ローカル鉄道やバス路線については大きな転換期を迎えています。交通事業者間の連携・協力を促進するとともに、芸備線、福塩線の沿線地域と協力して利用促進に取り組むなど、地域で考え、みんなで支え合う、地域特性に応じたコミュニティ交通の構築をめざします。

 

(計画性のあるまちづくり)

4点目は、「計画性のあるまちづくり」です。

1期目の4年間では、確実な財政運営により、借金である起債を43億円減らし、貯金である基金を11億円増やしてきました。引き続き、長期財政運営計画に基づき、有利な財源を活用しながら、病院・学校・保育所など、日常生活に身近な事業を優先的に進めつつ、更なる財政の健全化を図ってまいります。

公共施設についても、「なくてはならないもの」と「あったら便利」で仕分けし、譲渡や廃止を推進してきました。引き続き公共施設の適正化に取り組んでまいります。

公共施設へのネーミングライツ制度の導入や、文化・芸術資源を「活かす取組」など、新たな価値の創出により、財源の確保にもつなげます。

また、次期三次市総合計画の策定については、現在、市民ワークショップや住民自治組織の皆さんなどにご協力をいただき、計画的に作業を進めているところです。時代の変革期を踏まえた、次の10年間の「新しい三次づくり」の指針となるよう、引き続き精力的に取り組んでまいります。

 

(地域資源を活かした元気づくり)

5点目は「地域資源を活かした元気づくり」です。

三次の大きな特徴である、「中国地方のど真ん中」、「へそ」に位置するという拠点性を活かし、産学官連携による地域経済や観光等の持続的発展に取り組み、企業誘致や自ら起こす起業促進で雇用の確保につなげ、稼ぐ力を創出していきます。Uターンなどによる都市圏からの移住者の就職、テレワークでの業務継続など、市内での起業を支援する制度を創設します。

また、東京都内にワーキングスペースを確保し、移住相談会などの開催や、地方への進出意欲のある企業との関係性を高めていきます。

国内需要が高まっている薬用作物などについては、栽培技術を確立し、面積の拡大を着実に進め、産地化の実現をめざします。

有害鳥獣対策では、地域単位での対策に取り組み、資源として利活用の推進を図ります。

シティプロモーションを継続的に展開し、三次の魅力を全力発信しながら、 地域資源を活かした取組を引き続き前進させてまいります。

 

(みんなの市役所づくり)

6点目は、「みんなの市役所づくり」です。

現場主義、情報公開、部署を超えた連携により、信頼される市役所づくりを進めます。

引き続き、市役所のDXやデジタル化による効率化を図り、職員一人ひとりが、より市民の皆さんと向き合い、対話をすることで政策立案に活かしてまいります。組織体制についても、社会情勢の変化などに伴い、見直しを行ってまいります。

また、市の設置する委員会等は、若者や女性、外国の方、障害をお持ちの方など、多様性を尊重した構成をめざします。

 

(ICT(デジタル)の活用で暮らしを豊かに)

7点目は、「ICT(デジタル)の活用で、身近な暮らしを豊かに」していきます。

デジタル技術の活用で、市民の皆さんの「こうなったらいいな」を実現していきます。便利で豊かな暮らしを実感できるよう、医療、福祉、地域交通、防災、行政手続きなどの様々な分野において、みんなにやさしいデジタル化を推進します。

県立学校へ時代が求めるデジタル人材を育成する学科開設を働きかけ、若い人や新たにチャレンジしたい人を支援します。

また、IT企業を誘致し、田園とテクノロジーのハイブリッド産業を作り出し、最高の田舎暮らしモデルを創出してまいります。

 

(未来志向の環境づくり)

8点目は、「未来志向の環境づくり」です。

カーボンニュートラルの実現では、民間事業者と連携し、エネルギーの地産地消を研究・推進してまいります。また、「(仮称)カーボンニュートラル宣言」と共に、「(仮称)脱炭素にむけた実現条例」を制定し、市民の皆さん一人ひとりの意識の高揚を図ります。

計画的な土地利用の推進、都市基盤や生活環境、美しい景観づくりなど、市民生活や産業を支えるインフラ整備を、「環境への配慮」や「多機能化」も意識しながら、着実に進めてまいります。

 

(終わりに)

以上、これから4年間の市政を推進するに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきました。

三次市は平成の大合併から、来年で20年となります。これは一つの節目ではありますが、あくまで通過点であり、持続可能なまちとして、次の世代へ確実に引き継いでいく責任があります。

今私たちは大きな「変化」の時代を生きています。これまで本市の発展に貢献いただいた先人の方々に感謝し、継承すべきものは引き継ぎ、目まぐるしく変わる変化の時代をチャンスと捉えて前進し、私が先頭に立ち未来への責任を果たしてまいります。

引き続き、皆さんの格別のご協力とご支援をお願い申し上げ、私の所信といたします。

 

令和5年5月12日 三次市長 福岡 誠志

 

所信表明 [PDFファイル/292KB]

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