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令和2年度ICTを活用した集落ぐるみの有害鳥獣捕獲モデル事業成果報告について
令和2年度ICTを活用した集落ぐるみの有害鳥獣捕獲モデル事業成果報告について
事業概要
事業目的
- ICTの活用による捕獲活動の負担軽減
- 有害鳥獣に対する集落における自衛力強化
- 地域資源としてのジビエ活用
集落ぐるみで行う鳥獣被害防止、捕獲活動などについて、ICTを活用した監視カメラ、捕獲センサー、などを導入実証し、省力化、効率化によりモデル集落の効果的な捕獲活動を推進するとともに、地域資源としてのジビエ活用の拡大を図ることをめざした実証事業です。
事業実施にあたっては、機器導入、システム構築などの業務を株式会社エネルギア・コミュニケーションズ<外部リンク>に、取組地域における鳥獣害対策学習会や現地指導などの業務を株式会社野生鳥獣対策連携センター<外部リンク>にそれぞれ業務委託しました。
取組地区
- 糸井乙地区(糸井町)
- 青河下地区(青河町)
- 石原地区(君田町)
農作物被害をもたらす有害鳥獣の捕獲は、田畑における防護対策の実施が前提となるものであること、ジビエ活用における有害鳥獣解体処理施設(みわ375)と連携可能である距離にあること、これら2要件を基本としながら、有識者からの助言や地域バランスなどを考慮し、各集落代表者への意向確認を行った上で、3地区を選定しました。
取組の経過
時期 | 内容 |
---|---|
5月 | 事業化協議、調整 |
6月 | 対象集落選定 |
7月上旬から中旬 | 各集落でのわな設置候補場所における餌付け実施、誘因状況把握 |
7月19日、7月20日 | 各集落での鳥獣害対策学習会の実施、取組集落へのヒアリング、現地踏査 |
8月13日 | 捕獲活動開始 |
9月29日 | 有識者による現地指導 |
10月31日 | 捕獲活動終了 |
捕獲実績
地区名 | わな種別 | イノシシ | シカ | 計 |
---|---|---|---|---|
糸井乙地区 | 箱わな | - | 2 | 2 |
囲いわな | - | 1 | 1 | |
青河下地区 | 箱わな1 | 2 | - | 2 |
箱わな2 | 3 | 2 | 5 | |
石原地区 | 箱わな | 1 | - | 1 |
計 | 6 | 5 | 11 |
捕獲活動期間:令和2年8月13日から10月31日まで
事業の成果
市では本事業の成果と課題について、次のとおり総括しました。
<成果>
- スマートフォンアプリと連携した通信機能付き自動撮影カメラにより、関係者(地域住民、狩猟者、捕獲活動指導者)全員が随時わなの状況を視覚的に共有でき、集落で協力しあっての餌付け作業や捕獲時の迅速な対応、遠隔地にいる専門家からのリアルタイムでの助言や指導などが可能となり、効率的な捕獲活動につながった。
- 地域住民自らが主体的に捕獲活動に取り組む意識が醸成され、駆除班と集落が連携した捕獲活動を実践するモデル的な取組となった。
<課題>
- 狩猟者と解体処理施設との受入連絡調整用のメッセージアプリの活用は、電話連絡によるやり取りに比べ狩猟者の負担が大きく非効率的である。
- 捕獲センサーは、誤作動もなく捕獲技術の簡素化に一定の効果が認められるものの、機器が高価であること、風雨や衝撃により複数台のセンサーに故障が発生したことなどから、現状では費用対効果に課題がある。
- 捕獲活動の成功は侵入防止柵による防御や鳥獣を寄せ付けない環境整備が一定程度できていることが前提であり、いくら先進的な捕獲機器を導入しても捕獲頭数の増加や被害の減少にはつながらない。防御と捕獲を組み合わせた集落ぐるみの獣害対策を進めていく必要がある。
株式会社野生鳥獣対策連携センター成果報告
地域ぐるみで行うシカ、イノシシ捕獲の遠隔サポートの効果について[PDFファイル/5.33MB]
取組地区からの報告
取組地区からの成果報告[PDFファイル/192KB]
今後の取組
今回の実証事業で有効性が確認できた通信機能付き自動撮影カメラを活用した集落ぐるみの捕獲活動を行う取組を継続し、環境整備や侵入防止柵による防御と捕獲活動を両輪での取組を推進することにより、総合的な鳥獣対策を実践する自立的なモデル集落の形成を図っていきます。