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所信表明(1期目)

ページID:0002496 更新日:2022年10月17日更新 印刷ページ表示

福岡 誠志さんの画像 (はじめに)
本日、令和元年第1回三次市議会臨時会を招集いたしましたところ、議員各位にはご多用の中、ご参集を賜り厚くお礼を申し上げます。
お許しをいただきましたので、私の市政推進に当たっての基本的な考え方や所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いするものであります。
私は、去る4月21日に行われた市長選挙におきまして、市民の皆さんからの温かいご支援、ご信任を賜り、今後4年間、市政運営の重責を担わせて頂くことになりました。

本日、この場に立ちますと、改めてその職責の重さを感じ、身の引き締まる思いであります。また、選挙の結果を踏まえ、市民の皆さんのそれぞれの声を謙虚に受け止めつつ、市民の皆さんの付託にお応えし、「平成」から「令和」へ新たな時代の幕開けとともに、「新しい三次」を創造すべく、4年間、全力で市政運営に当たっていく所存であります。
私は、大好きなふるさと三次を市民が誇れる活力あるまちにしたいという切なる思いを胸に、市議会議員として17年間、活動させていただきました。この間、「現場第一主義」を信条とし、災害現場をはじめ、様々な場所に出向き、市民の皆さんの願いや思いを聴かせていただきました。
また、市長という新たな道への挑戦の過程でも、市内の隅々を訪ねさせていただき、お家の軒先や集会所等で、地域の暮らしの現実や子や孫の世代への思い、生活の心配など、それぞれのご意見も聴かせていただきました。
私は常に、この郷土をこれまで築いてくださった、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんたちのこれまでのご苦労が報われるようなまちにしていきたいというふうに思っております。毎日の生活の中で不自由なこと、これまでの経験から学んだことをもっと教えていただきたい、私に皆さんの声を聴かせていただきたい、という思いでおります。
また、若い方たちには、今の時代を担う責任と未来を築く力と希望があることを実感してもらいたい、そのためにみんなでまちづくりに参加し、みんなで一緒に考えよう、何をしてもらうのかを問うのではなく、自分がどういう地域を創りたいのか、何が成せるのかを問うて、みんなで一緒に考え、行動していきたい、という思いでおります。
子どもたちには、この資源豊かな三次でのびのびと育ってほしい、そして大人になったとき、この三次を誇りに思ってほしい、そのためには子どもたちの未来にツケをまわすようなことがないよう、今できること全てに挑戦したい、そのような思いが常にあります。
こうした思いの実現のためには、今の良いところは継承しつつ、より良きものへの変革や子どもの未来のための挑戦を進め、広く市民の皆さんと対話を重ねていく「変革・挑戦・対話」を通じて、市民の皆さんや議会の皆さんを始め、国や広島県、近隣市町、地元企業、産業などの関係者との信頼関係を更に構築し、繋がり支えあっていくことが重要だと考えています。加えて、市民の皆さんにこれまで以上に積極的にまちづくりに参加していただき、「もっとみんなで決めていく」ことが重要となります。
「現場にこそ答えはある。」これからもこの考えの下、市民の皆さん、議員の皆さんの声を丁寧にお聴きしながら、それぞれの声に寄り添い、「子育てしやすい三次、生きがいの持てる三次、誰もが暮らしやすい三次」の更なる充実をめざし、「新しい三次づくり」に向けて前進していかなければならないと、決意を新たにしているところであります。
それでは、私の市政推進に当たっての基本的な考え方を申し上げます。

(災害に強いまちづくり)
まず、第1点目は、災害に強いまちづくりを強力に進めていくことです。昨年の7月豪雨災害は、昭和47年災害に匹敵する雨量と水位に達しており、幸いに人的な被害はなかったものの、住宅、道路、河川、農地、事業所などに多くの被害が発生しました。
市民の皆さんの生命と財産を守るのが、行政の第一の使命です。災害に強いまちづくりに向けて、全精力を傾注していく考えであります。
異常気象が続く昨今、国土交通省や広島県との役割分担の下、特に内水排除対策や避難対策を徹底的に改善していくとともに、災害復旧・復興面では、「平成30年7月豪雨三次市土木・農林災害復旧対策本部」のもとで、1日も早い復旧に取り組み、それらの取り組み状況について、市民の皆さんに早期に情報提供をしてまいりたいと考えます。

(三次の元気づくり)
2点目は、「三次の元気づくり」です。平成の大合併から15年が経過し、本市の人口は約9,000人減少しています。人口構成では、年少人口と生産年齢人口の割合が減少する一方で老年人口が増加する少子高齢化となっています。
私は、この危機を逆にチャンスと捉え、今こそ先頭に立って、人口減少に歯止めをかけ、三次の元気な未来を切り拓くべく、「一生住み続けたい!住んでみたい!帰ってきたい!」そんな政策を展開します。
「ずっと住み続けたいまち本部」を設置し、定住対策を全庁的に進めます。現在でも子育て世代への支援は充実していますが、更に充実させ、外に向けて情報発信していくことで、定住人口の拡大につなげていきたいと考えています。女性の活躍支援や起業支援、空き家の利活用等を積極的に進めます。
更に都市部への交通利便性を高めるため、関係機関等に積極的に働きかけていきます。
市内の経済活性化のため、切れ目のない景気対策を実施するとともに、三次商工会議所や三次広域商工会など関係団体との連携を強め、きめ細やかな中小企業支援や雇用確保を行います。また、交通の利便性を活かした企業誘致を私が先頭に立って積極的に進めていきます。

(計画性のあるまちづくり)
3点目として、「計画性のあるまちづくり」を進めます。税金には市民の皆さんの大切な思いがこもっているということを肝に銘じて、政策立案を行います。例えば、三次市公共施設等総合管理計画によると市内には公共施設が783施設ありますが、今後建て替えや維持管理費等に相当の経費が見込まれます。将来の子どもたちの負担とならないよう、維持管理費や収支のバランスを見極め、多機能化等、有効活用等に向けた検討を行います。
その際、必要となる視点が、経営感覚を持った市政運営です。市役所は市内最大のサービス業であり、その顧客は市民の皆さんです。顧客である市民の皆さんに最良のサービスを提供し続けることこそが、市役所に求められる責務であり、存在価値でもあると考えています。無駄・無理・ムラをなくすことはもとより、同じコストでより高い品質のサービスを提供するためにはどうすればよいかを常に考えていかねばなりません。
また、住民サービスを持続的かつ安定的に提供していくためには、近隣の市町との連携やICT(情報通信技術)を効果的に活用するなど、量的・質的にも困難さを増す課題を克服できるようなしくみを検討する必要があります。

(地域資源を活かした産業づくり)
4点目は、地域資源を活かした産業づくりを進めます。本市の基幹産業は農業ですが、人口減少・少子高齢化が進み、残念ながら耕作放棄地も増加しています。耕作放棄地の増加は生産力の低下のみならず、鳥獣被害や景観の悪化、更には災害を誘発する恐れがあります。
そこで、現在海外からの輸入に頼っている漢方薬材等の産地化等、新たな作物の振興を調査検討するなど、儲ける農林畜産業の振興や若者の新規就農及び継承への支援等を県やJA等の関係機関と連携し行っていきます。
また、観光をはじめとする各産業の振興を図る中で、三次の今ある様々な地域資源を活かした新たな価値を創造し、三次で稼ぐ力をつけるために、何ができるか、何をするかということを調査・研究・実行していきます。

(暮らしの安心)
5点目は「暮らしの安心」です。生活環境の維持と質的向上をめざし、保健・医療・福祉サービスの充実、地域交通の利便性向上等を進めます。
医療面では、安全・安心な医療を365日提供していくため、市立三次中央病院の機能強化を図ります。また、三次地区医師会との連携による地域医療の充実や開業医継続・後継者支援を行うとともに、医師をめざす学生への支援も検討していきます。
福祉面では、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、介護予防・健康づくり事業、高齢者の生きがいづくり事業を充実し、地域包括支援センターを核とした地域ケア体制づくりを一層推進していきます。更に予防医療、家庭での介護負担の軽減や障がいのある人の支援など、心ある福祉施策を進めます。
また、広域かつ地域幹線交通であるJR線や路線バスとともに地域内生活交通としての市街地循環バスや市民バス、相乗りタクシー事業、などを多層的に活用し、通勤、通学、医療機関への受診、買い物など、安心して日常生活を送ることができる公共交通づくりを推進していきます。

(スポーツ・文化の振興)
6点目は、スポーツ・文化の振興です。私も長年野球に打ち込んできましたが、スポーツは、単に健康増進や体力の向上効果だけでなく、その活動を通してチームワークや豊かで優しい心を培うとともに、「たくましさ」や「努力すること」を身に付けるといった教育効果を併せ持っています。このような点に着目し、子どもたちが夢を育むことができるような体育・スポーツ環境を整備していきたいと考えています。また、大人の健康づくり、生きがいづくりも大切であり、健康で長生きできる地域づくりをめざします。
また、市民が質の高い芸術・文化に触れ、感性豊かな子どもたちを育むと同時に、伝統文化の継承・保存、新たな文化の創造に努めます。
更に、国際交流を継続・発展させ、コミュニケーション能力の向上や国際的な視野で発想し、多彩なフィールドで活躍できる人材を育成していきます。

(ICT(情報通信技術)の活用で暮らしを豊かに)
7点目は、ICT(情報通信技術)の活用で、身近な暮らしを便利で豊かにしていきます。児童生徒の学力向上のみならず、学習意欲やプレゼンテーション能力、英語教育の向上のため、タブレット端末の導入を推進します。
また、市内に張り巡らされた光ファイバーケーブルを活用した新たな産業の掘り起こしに取り組みます。
人工知能(AI)と聴くとよく分からないものだと思われがちですが、実は時間のゆとりと生活をつくる新しい手段です。活用できる分野が広がっており、今後の業務改善等への導入を検討していきます。
また、ICT(情報通信技術)を活用して、民間と行政の連携により防災・交通・教育・情報・インフラなどのサービスを効率的に管理・運営し、環境に配慮しながら、市民の皆さんの生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした「三次版スマートシティ構想」を作っていきたいと考えています。そのことによって、都市としての競争力をつけ、人を呼び込んでいきたいと考えます。
あくまでもICT(情報通信技術)を手段として活用し、最も大切な人と人、心と心の通い合う市政を基軸として進めていきます。

以上、申し上げたような施策を着実に実行していくためには、積極的、効果的な情報発信が必要不可欠となります。
その出発点となるのが、まずは市民の皆さんへ、今、行政が「どんな考えで、何をしようとしているのか」分かりやすく伝え、本市の現状と課題について、率直に意見を交換し、共通の認識を持っていただくことです。分かりやすい情報発信、参加しやすい行政ということを常に意識しながら施策の企画・立案・遂行に当たりたいと考えています。
また、三次の魅力、三次の良さを外に発信していくため、トップセールスで取り組んでいきます。強い発信力をつけ、三次のブランド力を向上させるために、庁内の体制を見直し、発信力のある体制づくりを行い、戦略的に取り組んでいきます。
また、新しい三次を創るためには、行財政改革の推進が重要です。まずは、今後の市政経営に必要不可欠な「経営感覚を持った職員づくり」を行っていきます。その取組として、管理職のマネジメント力、職員の課題解決能力、資質向上、プロモーション強化に資する研修の実施等、人材育成と職員の意識改革を図っていきます。
更に、業務改善を進めるとともに、長期的視点に立って「あれも、これも」ではなく、選択と集中で限られた資源を本当に必要なことに有効に使い、市民のためのまちづくりを進めます。

(終わりに)
以上、今後4年間の市政を推進するに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきました。
市民の皆さん、議員の皆さん、そして歴代の市長が築いてこられたふるさと三次を、「新しい三次」として、更に前進させるべく、良い部分や伸ばすべきところを思い切って伸ばし、変えるべきところを大胆に変え、「未来を良くするためには、今がもっとよくならんといけん」という思いで、市民の皆さん、議員の皆さんとともに、私たちの自慢の郷土・三次のため、志と情熱を持って、すべてのことに挑戦し、実行していきます。
私はそのために必要な対話を決して厭わず、汗をかくことを惜しまず、身命を賭して市政運営に臨む覚悟です。
議員各位をはじめ市民の皆さまの格別のご協力とご支援をお願い申し上げ、私の所信といたします。

令和元年5月20日 三次市長 福岡 誠志

所信表明[PDFファイル/322KB]

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