本文
乗車券「バス&レールどっちも割きっぷ」が2025年度グッドデザイン賞を受賞
三次市、西日本旅客鉄道株式会社広島支社及び備北交通株式会社が連携して実施している「バス&レールどっちも割きっぷ」が、このたび2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
競合関係にある鉄道会社とバス会社、行政の3者が連携した公共交通の利用促進の取り組みが、「地域の取り組み・活動」のカテゴリーで高く評価され、この度の受賞となりました。なお、応募総数は5,225件で、うち1,619件が受賞しています。
受賞内容
バス&レールどっちも割きっぷとは
・三次から広島間のJR乗車券と高速バス乗車券各1枚のセット 通常価格3,060円を2,000円で販売
取り組みの実施で得られた効果
・令和3年販売開始から3年で利用者が約6倍に増加
・JR芸備線乗車数の増加
・広島市内での販売を通じて関係人口拡大・地域経済活性化に効果
受賞者(敬称略)
三次市長 福岡 誠志
西日本旅客鉄道株式会社広島支社 理事 広島支社長 飯田 稔督
備北交通株式会社 代表取締役社長 河野 文彦
グッドデザイン賞評価コメント
通常は競合関係にある鉄道会社とバス会社が、行政の強力な調整役としての役割のもと協働した、意義深いデザインである。事業開始からわずか3年で利用者が約6倍に増加した驚異的な成果は、単なる経済的価値に留まらず、利用者目線での利便性と楽しさを追求した本質的なデザインが、人々の行動変容を促したのだと思う。
また、使いやすさを考慮した切符の改良や、手元に残る乗車記念としての工夫など、細部にまで行き届いた配慮も高く評価できる。この取り組みは、全国の地方都市が直面する交通網維持の課題に対し、多者連携という新たなアプローチを提示したモデルケースであり、成功事例が他地域にも広がることを強く期待する。「どうせ無理だから」と諦めるのではなく、地域の未来を想うビジョンと、その実現に向けた本気の実行力は、多くの関係者と他地域に希望を与えるものである。
グットデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。
国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
・グッドデザイン賞公式サイト<外部リンク>
・2025年度グッドデザイン賞受賞結果<外部リンク>