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令和元年度施政方針

ページID:0002549 更新日:2022年10月17日更新 印刷ページ表示

福岡 誠志さんの画像 1 はじめに
議員各位をはじめ市民の皆さんには、平素から市政運営に温かいご支援、ご協力を頂き、深く感謝申し上げます。
5月の臨時会において、私の基本姿勢となる所信を申し上げたところでありますが、本定例会の開会に当たり、令和元年度の市政運営の基本的な方針等についてご説明申し上げる機会をいただき、お礼申し上げますとともに、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私が市長として、市政運営を担当させていただくようになってから、早2か月を迎えようとしております。この間、多くの市民の皆さんと様々な場面でお会いし、お話を聴かせていただきました。
市民の皆さんが安心して暮らしていただくためには、行政運営は継続性が重要なことを踏まえつつ、本市の将来をしっかりと見据え、定住対策の充実や全国的に評価の高い子育て・医療等の施策などは積極的に実施していきたいと考えています。
引き続き、市民の皆さんの声を丁寧に聴きながら、それぞれの声に寄り添い、「子育てしやすい三次、生きがいの持てる三次、誰もが暮らしやすい三次」の更なる充実をめざし、「新しい三次づくり」に向けて前進してまいります。

2 令和元年度6月補正予算編成の基本的な考え方
次に、令和元年度6月補正予算編成の基本的な考え方について申し上げます。
令和元年度予算は、当初予算を人件費等の義務的経費及び維持管理費等の経常的経費で構成するいわゆる「骨格予算」に、市民生活への影響等を考慮し、年度当初から必要となる政策的経費を加えた「骨格的予算」として編成しました。この度の6月補正予算においては、行政の継続性を考慮するとともに、政策的経費や新規施策にかかる事業などを中心とした「肉付け予算」として編成しています。
財源については、国費、県費等を最大限見込みつつ、過疎対策事業債等の交付税措置のある有利な地方債や過疎地域自立促進基金等の基金の活用を図りました。

3 令和元年度6月補正予算(案)の概要
それではまず、令和元年度6月補正予算(案)の概要について申し上げます。
一般会計は、補正額32億1,204万6千円、当初予算と合わせた補正予算後の総額は369億5,204万6千円となり、前年度当初予算と比較すると3.3%の増となりますが、平成30年7月豪雨災害に係る経費20億3,880万円を除きますと、前年度当初予算と比較して8億5,675万4千円、2.4%の減となります。
また、土地取得特別会計は、補正額5,160万円、補正予算後の総額は1億5,993万2千円となります。
次に予算の特徴について、6月補正予算後の状況で申し上げますと、歳入の国庫支出金、県支出金は、ともに平成30年7月豪雨による災害復旧に係る負担金、補助金の増加等により、合わせて約13億円の増となっています。
歳出では、災害復旧事業を優先するため事業量を抑制した普通建設事業費が約11億6千万円、24.3%減となり、これにより、歳入の市債が約5億4千万円の減となっています。

4 令和元年度6月補正予算(案)に関する主要な施策
続きまして、所信表明でお示しした7つの分野に沿って、令和元年度6月補正予算(案)を中心に主要な施策を申し上げます。

(災害に強いまちづくり)
まず、第1点目は、災害に強いまちづくりを強力に進めていくことです。
昨年度の平成30年7月豪雨の発生から間もなく1年を迎えようとしていますが、災害からの復旧復興のため、国土交通省や広島県との役割分担の下、全力を傾注してまいります。
特に、河川の氾濫等をはじめとする大規模災害等へ対応できるよう、「自助」「共助」「公助」それぞれの対策を充実させていきます。そのためには、消防団や自主防災組織などとの相互の連携・協力を図りつつ、国・県との連携を強化し、避難所対応や情報伝達、内水排除対策などのハード・ソフトの両面から施策を展開し、市民・地域・団体・企業・行政などが協働による災害に強いまちづくりを進めてまいります。
具体的には、平成30年7月豪雨を受け、内水対策の調査検討を行うとともに、市が保有する排水ポンプ車の整備事業や排水ポンプ場長寿命化整備事業などハード面も充実させていきます。
また、今後のため池対策として、農村地域防災減災事業により重要ため池のハザードマップの作成や調査を行います。
更に、消防団装備品強化事業や自主防災組織等整備事業により、地域防災力の強化を図っていきます。

(三次の元気づくり)
2点目は、「三次の元気づくり」です。人口減少に歯止めをかけ、三次の元気な未来を切り拓くべく、「一生住み続けたい!住んでみたい!帰ってきたい!」そんな政策を展開していきます。
定住対策としては、定住対策情報発信事業により、「子育てしやすい三次」など、本市の魅力を外に向けて積極的に情報発信していくことで、定住人口の拡大につなげていきます。また、ふるさとサポーター事業により、移住希望者や本市出身者等とふるさとを結び、本市の住みよさを発信することで、定住や交流につなげていきます。市のあらゆる分野の施策を効果的に連携させながら展開することにより、定住のまちづくり、交流の推進に取り組んでいきます。
加えて、子育て・教育分野では、学校・家庭・地域が協働して放課後の子どもたちの居場所づくりを行うための調査研究を行っていきます。
また、市内の経済活性化のため、三次商工会議所や三次広域商工会など関係団体との連携を強め、プレミアム付商品券「三次藩札発行事業」等、切れ目のない景気対策等を実施します。

(計画性のあるまちづくり)
3点目として、「計画性のあるまちづくり」を進めます。将来の三次市民の負担とならないよう、公共施設等の効率的な活用と多機能化、適正な維持更新の検討等を行い、経営感覚を持った市政運営を進めます。
例えば、公立学校施設に係る長寿命化計画を策定し、市立小中学校施設の中長期的な維持管理・更新等に係るトータルコストの縮減及び予算の平準化を図りつつ、学校施設に求められる機能・性能を確保していきます。
また、旧三江線鉄道資産利活用検討事業として、旧三江線の鉄道資産の利活用等の具体化に向けた検討を行っていきます。
同時に、必要性や緊急度を勘案しながら、効率的に市道、県道及び橋梁、上下水道の整備及び維持や携帯電話エリアの整備など、生活基盤の整備も進め、「暮らしやすい三次」を実現してまいります。

(地域資源を活かした産業づくり)
4点目は、地域資源を活かした産業づくりを進めます。三次の地域資源を活かして新たな価値を創造し、三次で稼ぐ力をつけるために、調査・研究・実行していきます。
本市の基幹産業である農業は、農家数の減少、農業就業人口の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増加といった状況にあります。こうした中、従来の施策に加えて、本市の地域資源を活かした、漢方薬材等の産地化等の検討や、新たな農作物の振興を調査検討するなど、農林畜産業の振興や担い手への支援等に県やJA等と連携し取り組んでいきます。
また、観光振興の面では、インバウンド誘致支援事業を含む、オール三次観光・交流キャンペーンstage2などにより、市内の各観光協会やみよし観光まちづくり機構など、関係者と一体となって、市全体の観光資源を結び付け、観光客数の更なる増加に力を注いでまいります。

(暮らしの安心)
5点目は「暮らしの安心」です。生活環境の維持と質的向上をめざし、保健・医療・福祉サービスの充実、地域交通の利便性向上等を進めます。
保健分野では、いきいき健康日本一のまち事業を継続し、市民一人ひとりが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、ウェルネスプロジェクトによる健康情報データ管理や健診、ウォーキング事業等の推進を図ります。
また、家庭での介護負担の軽減や、重症心身障害児者短期入所補助事業などによる、障害のある人や家族への支援など、心ある福祉施策を進めます。

(スポーツ・文化の振興)
6点目は、スポーツ・文化の振興です。6月1日には、本市が東京2020オリンピック聖火リレーのルートに決定し、大変嬉しく思っております。
本市は1964年東京オリンピック競技大会の開会式で最終聖火ランナーを務められた坂井義則さんの出身地であり、そのご功績を次世代に受け継ぐとともに、子どもたちをはじめ市民の皆さんの夢と希望を醸成するような聖火リレーとなることを期待しています。そのための機運醸成事業やメキシコ選手団の事前合宿支援事業に取り組みます。
また、みよし運動公園野球場人工芝改修事業や、ライフステージに応じて日常的にスポーツに親しみ、楽しみ、ささえる活動に参画できる環境づくりを進めます。
文化面では、市民ホール自主事業支援事業や奥田元宋・小由女美術館リニューアル事業など、市民が質の高い芸術・文化に触れ、感性豊かな子どもたちを育むと同時に、伝統文化の継承・保存、新たな文化の創造に努めます。

(ICT(情報通信技術)の活用で暮らしを豊かに)
7点目は、ICT(情報通信技術)の活用で、身近な暮らしを便利で豊かにしていく「三次版スマートシティ構想」を策定するための調査・検討を行います。あくまでもICTを手段として活用し、最も大切な人と人、心と心の通い合う市政を基軸として進めていきます。
また、ICTを活用した市の業務改善等も検討していきます。

5 第2次三次市総合計画に沿った市政運営の基本方針
続いて、第2次三次市総合計画の「政策の体系」に沿って、市政運営の基本方針を申し上げます。

(ひとづくり)
まず、「ひとづくり」です。子どもたちの未来は地域の未来でもあります。子育て分野の施策を継続し、子どもたちがのびのびと育ち、大人になったときに、三次を誇りに思えるよう、一人ひとりを大切にし、健やかな成長及び自立と活躍を応援していきたいと考えます。
加えて、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目ない支援・相談体制を継続するとともに、関係機関が連携しきめ細やかな支援を行っていきます。
教育の分野では、児童・生徒一人ひとりの確かな学力の向上を図るとともに、スポーツの推進による体力づくりを進めます。また、子どもたちの学びの環境をもっと充実させるため、学校図書室のリニューアルに向けた検討を開始します。
男女共同参画社会の分野では、その実現に向け、家庭と仕事が両立できる環境づくり、まちづくりへの女性参画など実践につながるひとづくりに取り組みます。
また、「平和ですべての人の人権が尊重される社会」の実現に向けて、平和への希求、人権尊重の普及・啓発を行い、他者と共感し、多様性を認め合うひとづくりに取り組みます。

(くらしづくり)
「くらしづくり」の医療分野では、安全・安心な医療を365日提供していくため、市立三次中央病院の機能強化を図るとともに、広島大学や広島県との連携による医師の確保に努めます。また、三次地区医師会との連携による地域医療の充実や開業医継続・後継者支援を行うとともに、医師をめざす学生への支援も検討していきます。
福祉分野では、「生きがいのもてる三次」実現のため、高齢者や障害者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、介護予防・健康づくり事業、高齢者の生きがいづくり事業を充実させるとともに、社会福祉協議会等の関係機関と連携し、地域包括ケアシステムの構築を進めます。
地域公共交通分野では、広域かつ地域幹線交通であるJR線や路線バスとともに、地域内生活交通としての市街地循環バスや市民バス、相乗りタクシー事業などを多層的に活用し、通勤、通学、医療機関への受診、買い物など、安心して日常生活を送ることができる公共交通づくりを推進していきます。
また、JR三江線廃止後の代替交通を維持し、芸備線と福塩線については、復旧後の利用促進を図っていきます。

(仕事づくり)
「仕事づくり」では、就労促進・起業支援分野では、女性の多様な選択・チャレンジを支援し、女性の活躍を促進するとともに、引き続き、女性が元気なまちをめざしていきます。同時に、農林畜産業、商工業など生活の基盤となる産業の振興に取り組み、誰もが働きやすいまちづくりを進めます。
また、2本の高速道路がクロスする広域交通ネットワークを活かして、企業誘致や商工業の振興を図り、新たな価値の創出に取り組む企業、事業者の支援、人材の育成などに取り組むとともに、事業承継に係るサポート体制の構築・支援に取り組みます。
観光面では、既存の施設や観光資源を活かして、関係団体との連携により県北エリアの魅力をアップし、周遊の促進や宿泊客・外国人観光客などの受入れ体制の整備などの取組を強化していきます。また、4月に開館した三次もののけミュージアムを核として三次町の歴史と文化を活かした賑わい再生に取り組むなど、多くの市民や観光客でにぎわう、元気のあるまちづくりを進めます。この他、様々な産業の担い手の育成、就労の支援などを通じて、若い世代が定着し、新たな可能性を創造する定住のまちづくりを進めます。

(環境づくり)
「環境づくり」では、豊かな自然は、ふるさと三次の環境を象徴するかけがえのない資源でありますので、この貴重な自然を保護、活用しながら、次世代に引き継ぐため、自然と調和する循環型社会の形成に向けて取組を進めます。
計画的な土地利用の推進、都市基盤や生活環境の整備、美しい景観づくりなどの取組を通じて、三次に住みたくなるまちづくりを進めます。
また、住み慣れた地域に暮らし続けることができるよう、必要な機能の維持に努めつつ、集落の実情に応じて持続可能なしくみを検討していきます。
更に、計画的なストックマネジメントと適切な支出・負担により、市民の生活や産業を支える社会資本を適切に保全するとともに、持続的に活用します。

(しくみづくり)
「しくみづくり」では、「もっとみんなで決めていく」ために、みんなでまちづくりに参加し、みんなで一緒に考え、行動していく協働のまちづくりを実行します。そして、それぞれの地域の個性を活かしつつ、市全体での一体感を醸成しながら、個性豊かで魅力あるまちづくりを進めていきます。
そのためには、課題や目的を共有できるよう情報公開を積極的に進め、率直な意見交換を行っていきます。
分かりやすい情報発信、参加しやすい行政ということを常に意識しながら施策の企画・立案・遂行に当たりたいと考えます。
また、新しい三次を創るためには、行財政改革の推進が重要です。まずは、今後の市政経営に必要不可欠な「経営感覚を持った職員づくり」を行っていきます。更に、業務改善を進めるとともに、長期的視点に立って「あれも、これも」ではなく、選択と集中で限られた資源を本当に必要なことに有効に使い、市民のためのまちづくりを進めます。
そして、広域的な連携強化と近隣市町との機能分担により、本市の拠点性を高め、圏域の一体的な発展を図るとともに、適切な役割分担により、広域にまたがる住民サービスの効率的かつ効果的な提供の検討に取り組みます。

6 終わりに
以上、第2次三次市総合計画のぞれぞれの分野の取組の方向性に沿って、方針を申し上げました。ふるさと三次を、「新しい三次」として、更に前進させるべく、これまでの良い部分や伸ばすべきところを思い切って伸ばし、変えるべきところを大胆に変えていくなど、より積極的に効果的な施策を実行していきます。また、様々な機会を通して、三次の魅力、三次の良さを外に発信していくため、トップセールスで取り組んでいきます。
そして、広く市民の皆さんと対話を重ねていき「変革・挑戦・対話」を基軸に、市民の皆さんが暮らしやすさを実感でき、魅力と活力ある三次市の実現に向けて、全力をあげていきます。そのためには、市民の皆さんの声を大切にするとともに、議員各位へ私の思いをしっかりお伝えし、理解を求め、両輪となって市政運営を推進したいと考えております。
市民の皆さん並びに議員各位のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、施政方針とさせて頂きます。

令和元年6月14日 三次市長 福岡 誠志

令和元年度施政方針[PDFファイル/381KB]

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