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地方分権

ページID:0002061 更新日:2022年10月17日更新 印刷ページ表示

地方分権とは

「地方分権改革」は、明治維新、戦後改革に次ぐ「第3の改革」とも位置づけられる重要な改革であり、「地方にできることは地方に」との方針のもと、国(省庁)と地方(県・市町)の在り方を抜本的に再構築しようとするものです。
地方分権を実現させる手段が三位一体改革の推進、道州制への移行、そして国・県からの事務・権限の移譲です。

なぜ、地方分権を推進するのか

明治期以来の中央集権型システム(東京一極集中)はわが国の急速な近代化と経済発展に貢献してきましたが、権限・財源など過度に中央に集中させ、地方の活力を奪ってきた点や、全国画一の統一性と公平性を重視するあまり、地域的な諸条件の多様性を軽視し、地域ごとの個性を発揮できないという弊害をもたらしました。結果として国民の多くが真の豊かさを実感できない原因の一端となっています。この状況を解消するため、地域の行政は地域で決定するとともにその責任も自分たちが負うという行政システムを構築し、次の時代にふさわしい地方自治を確立するため、地方分権を強力に推進する必要があります。

変動する国際社会への対応

国内問題に対する国の負担を軽減し、国際社会への対応能力を高める必要があります。

東京一極集中の是正

決定権限を地方に移譲し、地方の活力を取り戻す必要があります。

個性豊かな地域社会の形成

国民の多様化した価値観・ニーズに応じた地域づくり、まちづくりを行う必要があります。

少子高齢化社会への対応

的確に対応できる仕組みづくりに向けて、住民に身近な市町村が創意工夫を行う必要があります。

地方分権が推進されると

身近な地方自治体(三次市など)で、住民が自主的にまちづくりなどについて決めることができるようになります。
国、都道府県、市町村のそれぞれに役割と責任の範囲が明確になります。
国の画一的な基準や各省庁ごとの「たて割り行政」にしばられず、地域の実情やニーズに適した個性的で多様な行政を展開することができます。
国の地方自治体に対する手続き、関与等が必要最小限のものとなり、労力・経費が節減されるとともに、住民にとっても事務処理手続きが簡素化されます。

地方分権後の国・県・市町村の役割

国(省庁)の役割

国際社会における国家の存立に関わる仕事(外交・防衛・立法・通貨政策など)や、全国的な規模・視点で行わなければならない仕事に特化。

県の役割

一市役所等だけでは行えない広域的視点を要する仕事(広域基盤整備・産業政策など)などを重点的に行う。

市町村の役割

総合的な行政主体として、現在、県が行っている仕事の多くを担い、住民に身近な仕事については、市の主体的な判断で、自己完結的に処理する。

地方分権の現状と課題

平成12年4月の「地方分権一括法」の施行に象徴される第一次分権改革は、国と地方の役割分坦を明確にしたほか、知事や市町村長を国の出先機関と位置づけ中央政府の事務を処理させる機関委任事務制度を廃止するとともに、地方に対する国の関与がルール化され、制度的に国と地方が対等・協力関係に置かれることになったという、画期的で意義深いものでした。
しかし、依然として国の各省庁は、地方自治体に対し規制や補助金等を通じ、広範な分野において介入を続けており、地方自治体が自らの判断と責任において地域の課題に対応するという分権型社会は、いまだ実現していません。

三位一体改革とは

「三位一体改革」とは、地方分権を推進するに当たり、地方自治体の財政基盤や自主性・自立性の強化を実現するため、「国庫補助負担金の削減」「国から地方への税源移譲」「地方交付税の見直し」を一体的に行うものです。
平成12年4月から「地方分権一括法」が施行され、国と地方は、「対等・協力」の新しい関係に立つこととなり、一定の権限が地方へ移譲されましたが、財源移譲については未解決となっていました。地方は地方の税収だけでは成り立たないため、多くは国庫補助負担金や地方交付税等、国から配分される財源に大きく依存しています。真の地方分権を確立するためには、権限だけでなく財源(税源)も地方に移譲されなければなりません。
三位一体改革が着実に進めば、国の縦割りによる指導や関与がなくなり地方が自己決定・自己責任において行政を運営することができます。そして、自由に使える地方の財源が増えるため、住民の意向に沿った、行政サービスを提供できます。

国庫補助負担金の削減

国庫補助負担金により、道路の整備や公共施設等を建設し、地方の発展に貢献してきましたが、一方で国の指導と基準に従わないといけないため、事務に係る時間と資料が膨大なものとなりました。そして、全国で同じような建物等が建設され、使用目的も制限されたため、地域の個性が失われてしまい住民の意向に沿わないものとなりました。

この国庫補助負担金の改革は地方分権の理念に沿って、税源移譲に見合った国庫補助負担金の廃止・縮減を行うとともに、国の関与や規制を見直し、地方の裁量度を高め自主性を大幅に拡大していくものでなくてはいけません。

国から地方への税源移譲

国庫補助負担金に代わる新たな財源として、国が集めている税金の内、一定の部分を地方が集めることができるようにするのが税源移譲です。例えば、国に10、地方に5を納税している個人の税負担が、国に8、地方に7という配分にするのです。なお、所得税や法人税など国に納める税金を国税、住民税や自動車税など、地方公共団体に納める税金を地方税といい、税源移譲の対象として検討されているのが、所得税と消費税です。これらの税源が移譲されれば国庫補助負担金のように国が使い道を指定することなく、地方が自らの判断で使えるようになります。

地方交付税の見直し

地方交付税とは、地方自治体の間の格差解消を目的に国から交付されています。
地方自治体に納められる税金は、地方の経済規模や人口等によって差が生まれます。そのため、全国どこに住んでいても、標準的な行政サービスを受けることができるようするために国が集めた税源を再分配し財源保障を行うものです。この地方交付税は国庫補助負担金とは違い、国から使い道は指定されません。しかし、国庫補助負担金の削減と同様に、地方交付税を削減するばかりでは、自治体運営が行えなくなるため、税源移譲を確実に行う必要があるのです。

道州制とは

地方分権の今後の大きな柱となる制度として道州制があり、全国的に議論が展開されています。道州制とは、現在の47の都道府県制度を廃止して、複数の都道府県を統合し「道」または「州」(例えば中国地方の5県を統合し中国州)という、より大きな規模に再編し地方分権を強力に推進する制度です。国は外交、通貨、安全保障など国家の存続に関わる仕事を担い、それ以外の仕事は道州や市町村が担っていくことが基本になります。このように、地域自らが地域の個性を発揮する活力ある地域社会の創造、広域的な行政需要への迅速かつ的確な対応、また、国と地方の二重行政の解消による行政運営の一層の総合化・効率化などの観点から、国の地方支部局や都道府県に代わる新たな広域自治体の姿として、早期に道州制を実現していく必要があります。

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