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平成30年度施政方針


三次市長 増田和俊

1 はじめに

 議員各位をはじめ市民の皆さんには、平素から市政運営に温かいご支援、ご協力を頂き、深く感謝申し上げます。
 本日、平成30年3月三次市議会定例会の開会にあたり、新年度に臨む私の所信と主要施策の概要について、ご説明申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 顧みますと昨年は、念願であった県立中高一貫教育校の設置決定や、2020年東京オリンピックの事前合宿地として決定するなど、これまでの努力が実を結んできた年でありました。
 本市をとりまく経済状況をみれば、広島県内経済情勢報告によると、広島県全体の景気は回復しつつあり、個人消費や生産活動も回復しつつあります。雇用情勢は着実に改善し、人手不足感が一段と拡がっているとされています。
 三次商工会議所が実施した平成29年10月から12月期の三次市景況調査報告によると、三次藩札の増額発行等もあり、業況判断指標は平成3年9月期以来のプラス値となっています。また、売上判断指標も4年ぶりにマイナス値から脱却し、採算判断指標も改善しています。



 更に、本市においても工業団地の完売など、企業誘致が促進され、雇用環境は着実に上向いており、12月現在の有効求人倍率は、全国平均が1.59となっている中、1.94と高い数値となっているなど、就業の場は拡大していますが、一方で本市も労働力不足の傾向にあります。
 中心市街地を見ますと、1月30日の新聞記事にもありますように、十日市中の中央通りの空き店舗等に、出店が続いています。市庁舎を現在地とした目的の一つに、中心市街地の活性化がありましたが、少しずつ実現しており、三次に元気が生まれつつあると感じております。
 また、平成28年度の市外からの転入転出の状況を、住民自治組織の単位でみると、転入増となった地域が6地域ありました。このように市全体として、明るい兆しが見え始めております。
 平成30年は、市制施行15年目となります。本市は、人口減少・少子高齢化社会への対応など幾多の課題を抱えているものの、合併後の継続的なハード・ソフトのインフラ整備や協働のまちづくりの推進等により、市民の皆さんに住みよさを実感していただける地域になってきたと感じております。
 また、従来の中国縦貫自動車道と相まって、中国横断自動車道尾道松江線の開通による、中国地方の十字路に位置する地理的優位性を活かして、利便性や拠点性が高まっています。
 今この時期だからこそ、本市の特徴を活かしながら、住民自治組織をはじめとした地域の皆さんと行政が一体となって、人口減少・少子高齢化に真正面から立ち向かい、本市の新たな可能性を創造し、発展させていく取組がますます重要になっています。
 引き続き、本市の将来をしっかりと見据え、定住対策の充実や全国的に評価の高い子育て・医療等の施策の充実、更には地域の拠点づくりを進めるなど、より積極的に効果的な施策を実行して、未来を生きる子どもたちのため、本市の発展のため、「住み続けたいまち、住んでみたいまち」をめざし、全力を挙げてまいります。

2 財政状況

 本市は合併以来、行財政改革の取組を着実に進めてきたことにより、年々実質公債費比率・将来負担比率などの財政指標や基金残高、地方債残高も確実に改善してきています。平成28年度末の普通会計による基金残高は、県内の14市の中で3番目に多い保有状況です。また、地方債残高については、積極的な繰上償還を実施し、着実に減少してきています。一例で説明しますと、合併特例債について、平成28年度末までの借入額が、地域振興基金分も含めて276億4千950万円ですが、その残高は、平成29年度末で、約70億9千7百万円の見込みであり、約205億5千250万円を既に償還しているということになります。
 しかし、平成27年度以降、市町村合併による普通交付税の優遇措置が段階的に縮減される過程に入って4年目となります。合併による変化に対応した財政需要を普通交付税に反映する見直しが行われることにより、緩和措置が講じられているものの、財源が縮減していくことに変わりはない状況です。
 このような中、公共施設、橋梁や上下水道などの生活基盤の老朽化への対応も継続して求められており、本市の財政状況は、今後、厳しさを増すものと推測されます。

3 平成30年度予算編成の基本的な考え方

 次に、平成30年度予算編成の基本的な考え方について、申し上げます。
 第2次三次市総合計画を策定して5年目を迎え、めざすまちの姿の実現に向け、現状と課題を踏まえながら、これまでの成果を生かした施策等の更なる充実に取り組むとともに、これまで進めてきた生活最優先の市政を継続していくための基本的な施策と、将来にわたり発展させていくための施策をしっかりと実施していきたいと考えています。また、全国規模の行事や大会等も予定されていることから、これらを総括して、平成30年度予算案を「未来への投資と三次の魅力発信」としました。
 引き続き、第3次行財政改革推進計画を着実に実行し、市債発行については、将来の負担を見据えた活用とし、後年度負担の軽減を図るとともに、限られた財源を真に必要なことに有効活用する、選択と集中を行います。更に、これまで継続してきた行財政改革等により、積み増ししてきた基金について、本市の発展のために必要な施策に、効果的に活用していきます。

4 平成30年度予算(案)の概要

 次に、平成30年度予算(案)の概要について申し上げます。
 一般会計と7つの特別会計、更に2つの企業会計を合わせた市全体の予算規模は、656億1,691万4千円で、前年度に比べて、35億7,683万2千円、5.2%の減としています。このうち、一般会計は、357億7千万円、前年度に比べて、5.6%、21億3千万円の減であります。7つの特別会計は、160億8,835万3千円で、前年度に比べて14億6,316万5千円、8.3%の減としています。
 一般会計の歳入の特徴としましては、地方交付税が約11億円の減となっています。普通交付税の合併算定替えの優遇措置が、段階的に縮小されていることや、合併特例債の償還が進み、償還に対する交付税措置が減少することが主な要因です。国庫支出金は、約2億円の減となっています。こども集会所整備に係る子ども・子育て支援整備交付金、都市公園整備事業に係る社会資本整備総合交付金等が減額となっています。
 歳出の性質別による特徴としましては、公債費は、約6億円の減となっています。これまで繰上償還を実施してきたことにより長期債償還金が減額となっています。また、普通建設事業費は、約15億6千万円の減となっています。これは、甲奴健康増進施設整備、神杉保育所整備、こども集会所整備事業等の建設事業が完了することによるものであり、道路・橋梁・農業基盤整備事業等の生活基盤整備にかかる事業費については、平成29年度より2億円以上の増額としています。 

5 施策の重点方針

 それでは、施策の重点方針について申し上げます。
 平成30年度は、第2次三次市総合計画の策定から5年目を迎え、前半の「総仕上げ」の年に当たります。本市の持つ内なる力の引き出しと、外なる可能性の活用により、目標の達成に向けて全力を注ぎ、成果に結び付けていきます。また、総合計画の検証や見直しを進めていく中で、喫緊の課題への対応や、将来を見据えた取組もしっかりと取り入れていきます。
 三次の「今」を支え、「将来」にわたり発展させるための施策に、全力で取り組み、「しあわせを実感しながら住み続けたいまち~中山間地の未来を拓く拠点都市・三次~」の実現をめざします。

 (子どもの未来応援宣言)
 子どもたち一人ひとりを大切にして、自立と活躍を応援することは、地域の魅力づくり、三次市のまちづくり、ひとづくりにもつながってくるとの信念から、「すべての子どもたちが大切にされ、生まれ育った環境にかかわらず、それぞれの個性や能力を伸ばせる三次市」、「将来の夢や目標の実現に必要な社会性や学力の習得、自立した大人としての活躍を応援する三次市」の実現を図っていくために、平成29年12月にご可決をいただき「三次市子どもの未来応援宣言」を策定したところです。現在、この応援宣言にそって、個別計画を策定中であり、三次市の未来を切り拓く子どもたちを、市民の皆さんとともに全力を挙げて応援していきます。

 (医療・健康づくり)
 医療面では、平成29年4月に、市立三次中央病院、三次地区医療センター、庄原市立西城市民病院、庄原赤十字病院の4つの病院が参加して、中山間地域の医療機関相互の業務の連携を推進し、適切な医療を効率的に提供するため、全国初の地域医療連携推進法人・備北メディカルネットワークを設立したところです。引き続き、医療従事者を確保・育成する仕組みづくりや共同研修、医薬品等の共同購入、地域包括ケアシステムの構築等を推進していきます。
 また、健康増進の観点から、本年春オープンをめざして建設中である甲奴町の健康づくりセンター「ゆげんき」は、健康保持はもとより、甲奴町の活性化にもつなげていきたいと思います。更に、「みよしウェルネスプログラム」として大手健康機器メーカーとの連携による新たな健康増進に向けた取組も計画しており、「いきいき健康日本一のまち」の実現に向けて、施策を進めます。

 (ネウボラみよし事業)
 平成29年10月に私が団長として、広島県市町職員海外派遣研修に参加し、フィンランドの子育て支援施設「ネウボラ」を訪問しました。「ネウボラ」の切れ目のない支援を直接見て感じたのは、個別にみると本市にも同様の支援制度や相談制度はありますので、それを1本化することで、より相談しやすい環境づくりを推進できるということでした。
 そこで、平成30年4月から、これまでの三次市の母子保健、子育て支援施策を充実強化するため、市役所東館2階を「三次市妊娠・出産・子育て相談支援センター」、愛称「ネウボラみよし」の総合相談拠点に位置付け、不妊治療等の妊娠前から、妊娠・出産・子育て・保育・母親の就業支援まで、切れ目ない相談支援等を行っていきます。また、「ネウボラみよし」では、産科、小児科及び精神科など、医療機関との連携体制に裏打ちされた、妊産婦に対する保健師の家庭訪問を中心とした支援態勢を構築するとともに、市内の「地域子育て支援センター」を「ネウボラみよし」のサテライトとし、より身近な場所での相談支援等を行っていきます。

(5つの拠点創造プロジェクト) 
 中国地方の十字路に位置する本市の拠点性をより高め、その拠点性を生かして三次の未来を拓く、5つの拠点創造プロジェクトを引き続き進めていきます。
 1つ目は、「(仮称)みよしアグリパーク整備事業」です。本市の基幹産業である農業の振興と観光・文化・スポーツなどの拠点である酒屋地区の更なる魅力の向上のため、備北南部農道の沿線に(仮称)みよしアグリパークを整備していきます。広島県や関係機関、各種団体と連携して、平成29年度中に策定する基本構想に基づく基本計画の策定と、新たなぶどう園地の事前調査等を行っていきます。
 2つ目は、「三次まるごと博物館事業」です。現在100万人を超えている酒屋地区の観光客を戦略的に三次地区に呼び込み、歴史的な町並みと歴史・文化を生かした賑わい再生に向けて、全力を挙げて事業を推進していきます。具体的には、平成31年春の開館をめざし、三次地区拠点整備事業として、稲生物怪録をはじめとする妖怪資料の展示棟や交流棟などの整備を行うとともに、従来の歴みち事業に加えて、妖怪を生かした文化・観光まちづくりを進め、交流人口の拡大を図っていきます。
 3つ目は、「新たな産業用地の確保事業」です。県営工業団地が完売したことを受けて、さらなる産業の振興と定住促進のため、適地調査を行い、新たな産業用地として、3カ所の候補地を選定したところです。今後は、ホームページやパンフレットを作成し、広島県とも連携しながら、企業誘致を進めます。
 4つ目は、「種鶏場跡地整備事業」です。総面積約7ヘクタールのこの土地は、平成19年3月に広島県から譲渡を受けたものです。10年間の指定用途期間が終了し、本市の活性化に向けて有効に活用するため、「(仮称)種鶏場跡地利活用検討会」を設置し、慎重に検討を進めます。
 5つ目の「県立中高一貫教育校の誘致」につきましては、冒頭に申し上げましたように、本市への設置が決まりましたので、平成31年4月の開校に向け、広島県に協力すべきことが生じれば、積極的に対応していきます。

 (地域の拠点づくり)
 本市の強みの1つに全国的に評価の高い、住民自治活動が挙げられます。昨年11月には、地方自治法施行70周年記念地方自治功労者として、三次市住民自治組織連合会が、総務大臣表彰を受けられました。また、総務省から依頼があり、平成29年11月の全国市町村長サミットにおいて、私が事例発表を行いましたが、合併後15年目を迎え、19の住民自治組織を中心に特色ある地域活動が、ますます活発になってきたと思っております。
 一例として、地域の皆さんが株主となって、地域を挙げて進めておられる「川西郷の駅」、小学校を地域力で守る「青河ブルーリバー」、公共施設の管理運営を行う「元気むらさくぎ」、国際交流や若者による地域おこしの取組が盛んな甲奴町など、本市の大きな財産として、意欲的な取組が展開されており、三次の元気を発信して頂いています。
 このような本市の持つ、内なる力の更なる引き出しのため、引き続き地域まちづくりビジョン実現への支援など、各地域の将来のまちづくりに向けて、必要な機能を見極めながら、市民の皆さんと行政が役割分担し、協力・連携して誇れるまちをめざし、地域の拠点づくりを進めていきます。また、市もまちづくりサポートセンターや、地域応援隊などの機能を発揮して、市民の皆さんと共に汗して、知恵を出し合い、行動していきます。

 (発信の年)
 平成30年度を「発信の年」として位置づけ、本市の諸施策・事業の発信だけではなく、本市の素晴らしさ、元気さを含めて、市民の皆さんはもとより、市外に対しても、ICT(情報通信技術)の活用など様々なチャンネルを通して、発信していきます。
 市政については、市民の皆さんへの説明責任を果たすことを基本とし、本市の現在の状況や進むべき方向性を理解していただけるように、わかりやすく、お伝えすることを意識していきます。
 また、「2020年東京オリンピックに向けたメキシコ選手団(陸上)事前合宿」、「第30回義士親善友好都市交流会議(忠臣蔵サミット)」、「第27回全国川サミット」、「プロ野球公式戦(広島東洋カープ対埼玉西武ライオンズ)」、「ドリーム・ベースボール」、「全日本トライアル選手権シリーズ中国大会」等、これまで市民・住民自治組織・事業者などの皆さんとともに育んできた、三次の魅力を内外にアピールする機会が続きます。まさに発信の年にふさわしい絶好の機会に恵まれ、本市の良さを全国に発信していくとともに、結果として「誇れるまち」としての評価へとつなげていきます。


6 第2次三次市総合計画「まちづくりの取組の柱」ごとの主な取組

続きまして、第2次三次市総合計画の「まちづくりの取組の柱」に沿って、主な施策を申し上げます。

 (ひとづくり)
 第1の柱は、まちづくりの主役である「ひとづくり」です。「三次市子どもの未来応援宣言」に基づき、子どもたちの可能性を伸ばし、希望を支え、自ら考え一歩を踏み出していく行動を市民みんなで応援していきます。
 まず、子育ての分野では、次世代を担う子どもたちが、夢と希望を抱き、人と人とのつながり、家族や地域とのつながりを大切にし、生まれ育った地域に誇りと愛着をもって成長し、社会を構成する一員として、主体的に役割を果たすことのできる「ひとづくり」を進めます。
 不妊・不育治療費助成事業や妊産婦健診助成事業の拡充、こども医療費の助成事業等、市民の皆さんの多様なニーズに応えて、引き続き妊娠・出産・子育ての負担の軽減を図ります。また、八次地区の放課後児童クラブの集約化をはじめとする子どもの居場所づくり事業や障害児保育事業補助金、こども発達支援センター運営事業、24時間365日小児救急医療の堅持など、子育てを支える環境づくりを進め、子育て世代に選ばれるまちをめざしていきます。
 教育の分野では、児童・生徒一人ひとりの基礎・基本の定着を図り、確かな学力の向上を図るため、引き続き市費採用教員の配置による少人数学級や習熟度別授業を行うとともに、平成28年度からのエアコンの整備に続き、電子黒板等のICT機器の導入を充実するなど、学習環境の整備を行います。また、みよし版わくわく体験活動推進事業等や、特色ある学校づくりを推進するとともに、学校支援員による特別な配慮が必要な児童・生徒への学習支援を行っていきます。外国語教育については、平成32年度から実施される次期学習指導要領を先行実施し、小学校における英語の学習時間を5・6年生では年間70時間、3・4年生では35時間で実施するほか、引き続きイングリッシュ・キャンプやALT(外国語指導助手)の活用によるコミュニケーション能力育成の取組を充実させていきます。
 安全・安心な学校給食を持続的に提供していくため、保護者や地域のご意見を伺いながら、学校給食調理場の再編に取り組みます。
 三次市教育大綱は、平成30年度が最終年になることから、三次市子どもの未来応援宣言や三次市総合計画の見直しとの整合、社会経済情勢の変化、施策の達成状況等の検証を行い、必要に応じて見直しを行っていきます。
 スポーツ・文化の分野では、子どもたちの豊かな心を培い、多様な個性を育むため、三次市民ホールきりりや奥田元宋・小由女美術館をはじめとする4つの美術館、みよし運動公園等を活用し、本物の芸術・文化・スポーツに触れる機会を提供していきます。加えて、平成29年度の子ども議会での提案に応え、子ども映画上映会開催事業を新たに行います。
 また「スポーツのまちみよし」実現に向けて、スポーツを通して子どもの夢を応援するため、メキシコ選手団の2020年東京オリンピック事前合宿を生かした取組を進めます。更に子どもたちの競技力の向上と、スポーツへの関心を高めるため、ジュニアアスリート育成支援事業や真田一幸スポーツ・文化こども育成事業等を引き続き行っていきます。
 石見銀山街道の日本遺産認定に向けた取組や、史跡寺町廃寺跡整備事業等、地域の歴史・伝統・文化を育み、継承するまちづくりを進めます。
 男女共同参画・平和・人権の分野では、男女共同参画社会の実現に向け、更に意識啓発や学習機会の提供を行い、性別にかかわりなく、みんなが協力して創る、人に優しく住みよいまちをめざしていきます。また、平和の継承、人権尊重の普及・啓発に引き続き取り組みます。

 (くらしづくり)
 第2の柱は、安全で温かみと安心感のある「くらしづくり」です。
 保健の分野では、「いきいき健康日本一のまち」をめざし、平成29年度策定の「三次市健康づくり推進計画」に基づき、市民一人ひとりが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、みよしウエルネスプログラムや各種健診事業をはじめとする、各種事業を積極的に進めます。
 医療の分野では、広島県や広島大学等との連携のもと、医師の確保に全力を挙げた結果、市立三次中央病院では、73名の医師により、診療を行う予定です。引き続き、三次地区医師会や市内の医療機関との連携による地域医療体制の充実と、医療の質の維持向上をめざしていきます。
 国民健康保険制度においては、平成30年4月からスタートする県単位化のもとで、広島県や各市町と共同して、安定的な財政運営と広域的かつ効率的な事業運営を推進します。
 福祉の分野では、平成29年度中に策定する「三次市第8期高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」に基づき、高齢者トレーニング事業や介護予防・生活支援サービス事業等を実施し、本市で暮らす高齢者の皆さんが敬愛され、地域で活躍の場を持ち、“長く、元気でいていただく”また、介護が必要になっても、自分らしく安心して暮らし続けられる「地域包括ケア」のまちづくりを、社会福祉協議会等の関係機関、関係団体と連携し、推進します。
 平成29年度策定の「三次市障害者計画」に基づき、障害のある人が地域の一員として尊重され、安心して暮らせる社会の実現をめざし、地域生活支援事業や障害者福祉タクシー利用助成事業等、障害のある人のニーズを把握しながら、障害に応じた、きめ細かい福祉サービスを提供していきます。引き続き、高齢者、障害のある人、生活に困窮しておられる人が、相談しやすい場となるよう、福祉総合相談支援センターの充実に努めます。
 地域公共交通の分野では、引き続き、生活交通確保対策事業により、通学、通院、買物など日常生活に必要な移動手段を確保・維持していきます。
 JR三江線については、廃線が目前にせまり、大変残念な思いと、これまで市民の皆さんの交通手段として活躍してきたことへの感謝の思いが交錯します。今後は、新たにJR三江線対策事業を実施し、沿線自治体と連携・協力して、代替バスの運行による生活交通の確保に全力で取り組みます。また、懸案事項であったJR三次駅へのエレベーターの設置がいよいよ実現します。JR三次駅バリアフリー化事業として支援を行っていくとともに、JR芸備線・福塩線の利用促進事業を行っていきます。
 防災・安全の分野では、自然災害等に対する市民の皆さんの不安の解消を図るため、農村地域防災減災事業や急傾斜対策事業、小規模崩壊地復旧事業、自主防災組織等整備事業等、災害リスクに備えて必要な対策を実施し、ハザードマップの作成をはじめ、市民の皆さんと力を合わせながら、安全で安心なまちづくりを進めます。また、空家対策事業を実施し、倒壊の危険のある空家等についても、適切な対応を行っていきます。救急隊用AEDの更新や消防ポンプ自動車更新の負担金、消防ポンプ積載車等更新事業など備北地区消防組合及び消防団の装備の更新を進めます。また、多種多様化する消防団活動を補完するため、特定の業務や活動に従事し、より多くの方に消防団に参加していただくため、機能別消防団員制度を新たに導入し、地域の防災力強化に努めます。
 更に、消費生活における安全・安心確保のため、引き続き、消費生活センターによる相談体制の確保や啓発行動を行っていきます。

 (仕事づくり)
 第3の柱は、豊かな市民生活と元気な地域を支える「仕事づくり」です。
 就労促進・起業支援の分野では、女性が働きながら子育てできる環境日本一をめざし、みよしまちづくりセンター内に、女性の就業を支援する「三次市女性活躍推進プラットフォーム(アシスタラボ)」を4月に開所予定です。女性の起業、就労促進など、女性の「働く」ことを応援する環境を整えていきます。引き続き、仕事と家庭が両立できるまちづくりを進め、女性の多様な選択、チャレンジを応援し、女性が元気なまちをめざしていきます。
 農業分野では、「三次市農業振興プラン」に基づき、持続可能な地域農業の確立と、夢の持てる農業の実現をめざしていきます。トレッタみよしでは、平成27年3月のオープンから今年1月末までの来場者が、約96万人となり、総売り上げも約8億4千万円となっています。また、出荷登録会員数も当初の278人から459人と約1.7倍となっており、農業の生産力・販売力の向上につながっています。引き続き、担い手育成・強化事業を拡充し、生産者をはじめ、広島県、JA等の関係機関と連携して、農業を多様な形で守り、担い手を確保・育成していくための施策を推進するとともに、農畜産物の生産力強化事業等により、農業所得の向上、経営基盤の安定・強化を図っていきます。有害鳥獣の被害防止対策事業を継続し、有害鳥獣の駆除活動や農作物等への被害防止対策に取り組みます。また、農業基盤の整備のため、ため池や用排水路等の農業用施設や農地改良等を継続して行います。
 林業分野においては、引き続き、三次地方森林組合や甲奴郡森林組合、広島県等の関係機関と連携し、林業の振興を図ると同時に、林道整備事業の拡充や、林道等維持管理事業を新設し、路面整備等を進めます。
 商工業分野では、リフォーム支援事業等、中小企業の経営の安定を図るための各種支援事業を継続し、三次商工会議所や三次広域商工会など、関係団体との連携を一層深め、地域での消費喚起と地域経済の活性化を図っていきます。更に三次藩札の発行事業については、約8割の事業者から評価をいただいており、平成30年度も小売業を下支えする意味からも継続して実施します。
 観光分野では、市内の各観光協会など、関係者が一体となってオール三次観光・交流キャンペーンstage2として、鵜飼をはじめとする観光情報発信による来訪促進事業や、受入体制の整備促進事業などを総合的・戦略的に進めていきます。中でも特にインバウンド対応については、本市の文化・歴史・自然などの地域資源を活用して、海外への情報発信に取り組んでいきます。加えて、平成29年12月に設立した三次版DMOである「一般社団法人みよし観光まちづくり機構」を中心に、三次地区のまちづくりをはじめ、観光における稼ぐ力と交流の創出をめざします。また、東酒屋地区における施設利用者のための駐車場整備を行います。
 定住・交流の分野では、定住対策事業を充実させ、引き続き定住支援に取り組みます。特に、空き家バンク家財等処分費用補助金を新設し、空き家バンクへの登録物件の確保に努めます。定住対策情報発信事業として、自然に恵まれた環境や充実した子育て・医療体制等、本市の特徴を創意と工夫により、戦略的で効果的に情報発信するとともに、ふるさとサポーター事業を拡充し、移住希望者や若者とふるさとを結び、本市の住みよさを発信することで、定住につなげていきます。行政の総合力を結集し、あらゆる分野の施策を有機的、効果的に連携させながら展開することにより、定住のまちづくり、交流の推進に取り組んでいきます。

 (環境づくり)
 第4の柱は、美しい風景を後代に伝える「環境づくり」です。三次市環境基本計画に基づき、自然環境と調和する、環境に配慮したまちづくりの取組を進めます。
 自然環境の分野では、市民の皆さんと地域を育んできた、かけがえのない資産である、自然環境を守り継いでいくため、里山林の整備や森林・林業体験活動への支援を行います。また、本市に生息する希少又は、貴重な野生動植物を保護し、次世代に継承していくことを目的とする「三次市に生息する希少野生動植物を保護する条例」を本定例会に議案として提出しております。
 地球温暖化対策や循環型社会の形成に向けて、電力消費監視装置「見える化」事業による、学校等での環境教育と省エネルギーの実践により、豊かな自然との共生をめざしたまちづくりを進めていきます。また、市民や事業者の皆さんと行政の協働による、ごみの減量・資源化及び、処理施設の延命化等によって、安定的なごみ処理体制を整備していきます。
 生活基盤の分野では、引き続き、市道三次山家線や県道青河江田川之内線をはじめとする道路整備や、維持管理及び橋梁の点検・長寿命化を図ります。更に、新市まちづくり計画のフォロー事業、上下水道事業、公共施設大規模改修等、生活最優先の視点で、必要性や緊急度を勘案し、効率的に整備を行うとともに、(仮称)吉舎町拠点施設建設事業や道の駅ゆめランド布野施設整備事業等、地域の拠点づくりにも引き続き計画的に取り組みます。
 水道事業では、河内地区をはじめとする拡張事業や老朽管更新、浄水場施設更新を実施するとともに、生活用水施設整備補助事業を拡充します。また、平成29年度中に策定する「三次市水道事業ビジョン」に基づき、災害等に強く、安全で持続可能な水道事業の運用をめざします。下水道事業では、市民の皆さんの快適な生活環境づくりのため、三次処理区における管路布設工事を計画的に進めます。
 三次市汚泥再生処理センタ-「錦水園」は、これまで市直営により水処理運転管理業務を行っていましたが、4月より地元業者による共同企業体へ業務委託します。
 本市の主要な施策の効果を十分に発揮していくうえで、国や広島県との連携・協力は非常に重要です。国との関係では、青河町片山地区をはじめとする河川改修や、桜堤の整備をはじめとする三川合流部周辺河川環境整備などを連携・協力して進めます。広島県との関係では、引き続き国道183号や375号、主要地方道吉舎油木線本郷工区、祝橋の架け替えを伴う都市計画道路巴橋粟屋線街路事業をはじめとした国道・県道の整備・改良、幹線林道の比和・新庄線や、県営備北南部地区広域営農団地農道の整備など、連携・協力して整備を進めます。今後も、国・県への要望活動を積極的に行い、更なる事業展開に向けて、努力を重ねていきます。
 また、広島空港連絡バスの運行を引き続き行い、交通の結節点としての機能強化を図ることで、企業活動の促進、並びに観光振興や定住の促進につなげていきます。
 引き続き、ケーブルテレビ設備改修事業や市営住宅改修事業を計画的に進めていきます。
 景観形成の分野では、引き続き、花の里みよし推進事業等を進めていくことにより、地域の一体感と誇りを育み、美しい三次の創造を図ります。また、尾関山公園の桜の再生に向けた取組を、市民の皆さんと協働して進めていくとともに、若宮公園のトイレ整備事業を新たに実施します。多面的機能支払交付金制度及び中山間地域等直接支払交付金制度の取組を、継続実施するとともに、農業用施設等の保全活動や共同活動による農村環境の維持・保全に努めます。

 (しくみづくり)
 第5の柱は、参加と行動による、つながる「しくみづくり」です。
 三次市まち・ゆめ基本条例は、市民の皆さんと市議会および市が、それぞれの権利や役割・責務等を明らかにし、信頼関係を基本に協働して自立した地域社会を創るための、基本的な考え方や仕組みを条例化したものです。この条例を皆さんに知っていただき、今以上に協働のまちづくりを実践していくため、各種啓発事業に取り組みます。
 引き続き、自治振興活動費補助事業やがんばる地域支援事業、がんばる地域・産業施設整備支援事業、地域力向上支援事業等を実施し、各住民自治組織をはじめとする、地域課題解決や地域活力の創造に向けて、がんばる市民の皆さんを全力をあげて応援していきます。
 また、新たに地域人材育成・派遣事業を実施するなど、平成29年度の「ひろしまさとやま未来博」を生かし、つないでいくため、地域を支えるリーダーづくりに取り組みます。
 市職員による地域応援隊の活動の継続など、市民の皆さんと情報や目的を共有し、信頼し合い、対等な立場で、「参加」と「行動」を基本とした協働のまちづくりを推進します。
 行財政改革の分野では、第3次三次市行財政改革大綱の基本理念である「透明」「参加」「選択」に基づき、未来の三次市民に夢の持てる活力ある地域を引き継ぐため、今の私たちの責任を果たし、限られた資源を本当に必要なことに有効に使い、満足度を高め、創意と工夫で市民の皆さんが誇れるまちづくりに向けた取組を、着実に実行していきます。
 一例を申しますと、健全財政の堅持や債権確保をはじめとする歳入確保に努めるとともに、公明正大な行政のための徹底した情報公開や個別外部監査に取り組みます。また、内部管理経費の節減にも努め、平成28年度から電力入札を実施していますが、契約更新のための入札を実施した結果、68施設で約6千万円の経費削減が見込まれます。
 平成30年度は「第3次三次市行財政改革大綱」の最終年となります。これまでの成果と課題を踏まえながら検証を行い、次期大綱策定に向けて取組を進めます。
 行財政改革は、単なるコストダウンや事業縮小ではありません。未来の三次市民に夢の持てる活力ある地域を引き継ぐため、市民に身近な信頼される行政を実現し、「あれも、これも」ではなく、選択と集中で限られた資源を本当に必要なことに有効に使い、市民の皆さんとともに積極的に行動していくまちづくりを進めます。また、まちづくりの総合指針である「第2次三次市総合計画」の進捗を管理する仕組みとして行政評価を実施し、行政運営の中にPDCAサイクルを確立させ、社会の変化に柔軟に対応していきます。

7 終わりに

  私の原点は、「次の世代にツケをまわさない」「改革に終わりなし」と「とことん対話」する市民生活最優先の市政であります。引き続き、多くの市民の皆さんの声に真摯に耳を傾け、これからのまちづくりに積極的に生かしていきたいと思います。
 私が掲げてきた、市民生活最優先の市政という点では、合併からこの間、市民の皆さんの声を聞きながら、生活基盤整備は一定程度進んできたと自負しております。今後とも必要な整備は進めて参りますが、合併15年目を迎え、ますます成熟度を増してきた協働のまちづくりを、更に一歩進め、この礎の上に「誇れるまち」を市民の皆さんとともに作り上げていきたいと考えております。このことが三次の魅力を増進していくと確信します。
 「誇れるまち」とは、個性あふれる地域が沢山あり、すべての子どもが夢と希望をもって頑張ることができるまちであります。魅力にあふれ、誇りに満ちた地域を実現するためには、子どもをはじめ、すべての市民の皆さんが活躍できる場があり、市だけではなく、住民自治組織や地域住民の皆さんと、わがまちの夢や将来像を共有し、ともにまちづくりを行っていくことが必要です。「三次で生まれ育ち、働き、暮らすこと」、「三次を離れても、三次とつながって生きていくこと」、「三次に移住し暮らすこと」ができる「誇れるまち」づくりに全力を傾注していくと決意を新たにしているところであります。
 平成30年度は、「第30回義士親善友好都市交流会議(忠臣蔵サミット)」、「第27回全国川サミット」をはじめとする全国規模の大会や行事等も多く予定しており、まさに「発信の年」の絶好のチャンスであります。
 更に、長寿社会を迎え、甲奴町のゆげんきを活用した、新たな健康づくりにも着手する年でもあり、第2次総合計画の見直しの実施や第3次三次市行財政改革大綱、三次市教育大綱の最終年に当たり、次期の計画策定に向けた検証・検討に入るなど、「明日の三次市」の発展に大きくインパクトを与えていく一年でもあります。
 三次郡他4郡、現在の三次市・庄原市の代官となった頼杏坪は、そこに暮らす「人々の生活を安定させること」を常に考え、各地の村々を歩いて民の声を聞き、政治に反映しようと努めました。また、飢饉に備え、寒い土地でも育つ柿の木を育てることを奨励し、約3千本を植樹しました。干柿にすれば保存食にもなる柿は、栄養価も高く、皮も葉もお茶として飲むこともできます。約200年後の今日でも、2本の柿の木が残り、秋になると沢山の実をつけています。
 
 このように私も、三次の「今」を支え、「将来」にわたり発展させるための施策に、全力で取り組みます。市民・住民自治組織・事業者をはじめあらゆる皆さんの力を結集し、様々な課題を乗り越え、三次市の総合力で将来にわたる発展をめざそうではありませんか。
 
 引き続き、議員各位をはじめ、市民の皆さんの格別のご理解とご協力をお願い申し上げ、施政方針とさせて頂きます。

 
平成30年3月2日

三次市長 増田和俊



平成29年度施政方針

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